研究課題/領域番号 |
21K01371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤田 泰昌 長崎大学, 経済学部, 准教授 (40584694)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 貿易政策 / 世論 / サーベイ実験 / 貿易 / 新型コロナウィルス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、アメリカなどで貿易自由化に反発する人々が増えているとされるが、どのような人々が貿易自由化に反対なのだろうか。主にアメリカ人を調査対象とする先行研究によれば、貿易自由化によりもたらされる経済的な損得や、貿易相手国と同盟関係があるかどうかといった要因が重要だとされる。では、①これらの要因は、日本・ドイツ・イタリアの人々の貿易自由化に対する態度にも影響を与えているのだろうか。②新型コロナウィルスの影響で、日独伊の人々の貿易に対する態度は変化したのだろうか、それはなぜだろうか。日本・ドイツ・イタリアでの世論調査を通じて、以上2つの問いを明らかにする。
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研究実績の概要 |
貿易政策に関する世論の先行研究は数多いが、3つの問題がある。1)分析対象が米国に偏っている。2)相手国次第で人々の貿易に対する意見が異なる原因の分析が不十分である。「貿易自由化を支持するか」と「どのような相手国であれば、貿易自由化を支持するか」は異なる問いだが、先行研究は、主に前者の問いに注力してきた。そして、3)経済的な要因や社会的な要因に加えて、近年では地政学的な要因も着目されるようになった。だが、なぜ地政学的な要因が貿易政策への意見を左右するのかは十分に解明されてこなかった。 そこで、1)日独伊を対象に、2)どのような相手国であれば自由主義的貿易政策を支持しやすいかについて、3)地政学的な要因に焦点を当てて研究を行った。この目的に向けて、オンラインサーベイ実験を実施した(令和4年度)。サーベイ実験では、貿易相手国が安全保障上の同盟国か敵対国かによって、人々の貿易政策への態度が変化するか否かを調査した。 最終年度の令和5年度に、サーベイ実験で得られたデータの分析を進め、主に3つのことが明らかになった。第1に、貿易相手国が安全保障上の同盟国の場合には、自由主義的な貿易政策を支持する傾向にある。第2に、ではなぜ、地政学的な要因が貿易政策への意見を左右するのか。既存研究によれば、貿易によって相手国の経済が拡大することで、相手国の軍事力を高まることを恐れる。その結果、とりわけ敵対国との貿易拡大に慎重になると論じられてきた。だが、人々は、貿易によって敵対国の経済が拡大することを原因として、貿易に否定的な態度をとることはなかった。人々が気にするのは、貿易が相手国の軍事費増大につながるかどうかのみであった。そして第3に、以上見出した因果関係は、日独伊で共通して観察された。日欧の先進諸国では、同様の論理で、安全保障要因が人々の貿易政策に対する態度に影響していることが明らかになった。
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