研究課題/領域番号 |
21K01372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
畠山 京子 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (90614016)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 規範 / 海洋秩序 / ミドルパワー / インド太平洋 / アジア / 構成主義 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、中国の軍事的海洋進出と一方的な現状変更がアジアの緊張を高め、米国主導の既存の海洋秩序を揺さぶっている。本研究では、共通の理解を促進して規範を強化していく外交スタイルを「規範外交」と捉え、日本と豪州による海洋秩序への関与を事例に「規範外交」について分析する。規範外交とは何か、どのような影響力があるのか、また両国は秩序維持においてどのような役割を果たしているのだろうか。
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研究実績の概要 |
2022年度は、コロナ規制があった頃は二次文献を中心に豪州と日本のインド太平洋政策の調査を行った。規制が緩和された秋以降は、海外調査を開始して、インタビュー調査などを行った。数回に分ける形で豪州(シドニーおよびキャンベラ)およびインドネシア(ジャカルタ)を訪問して、政策決定者や研究者に対してインタビュー調査をした。また豪州でのワークショップ出席やセミナーの開催により現地の研究者と意見交換も行いながら研究を進めた。 具体的には、今年度は、日本と豪州の対中政策および地域秩序に対する政策の比較を調査の中心に据えた。「法の支配」や「ルールに基づく秩序」を共に訴えていた豪州と日本の地域秩序に対する外交は、基本的には共通点が多い。両国とも法の支配やルールの尊重といった規範を強調するだけではなく、アジア諸国に対して能力構築支援や経済援助などの政策を実行することで、外交を下支えしている。こうした理念と支援がセットになった外交が秩序維持に貢献しているという仮定に基づいて調査を行っていたのだが、調査を進めるうちに、両国の規範を強調した外交が微妙に異なることに気が付いた。アジア諸国に対する姿勢には大きな相違点は見られないが、規範外交を推進する要因ともなった中国に対するアプローチが、日本と豪州では異なっていた。これは、両国の秩序維持への貢献度や貢献内容も異なってくることを示唆する。 異なる原因としては、規範に対する理解やアプローチが異なっているというよりは、地理的近接性からくる脅威認識など様々な要因によるものであるとの仮定に至った。この仮定を検証するため、今年度より地理的近接性も考慮に入れた調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの規制は解除されたが、初年度からの遅れを取り戻せずにいる。また、予想をしていなかった新たな要因を調査、検証する必要性が出てきたため、遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、まずは遅れを挽回することを目標にしたい。引き続き、日豪の規範外交の中身を明らかにすることに焦点を当てるが、地理的近接性が両国に与えるインパクトについても検証する予定である。そのうえで、どのように両国が地域秩序の維持に貢献しているのかを明らかにする。
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