研究課題/領域番号 |
21K01377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
篠原 初枝 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (30257274)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 国際連盟 / 理事会 / 満州事変 / 正当性 / 国際組織 / 規範 / 集団的正当性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、第一に連盟理事会の役割について、その議論、報告者の役割、決議案の内容、事務局との関係などについて連盟関連資料にもとづき実証的側面から明らかにする。第二に、理事会での活動や議論が規範形成に寄与したかを検討し、さらに第三に、規範形成において、国際組織の機能として論じられる「集団的正当性」の概念を探求し理論的検討を行う。 国際連盟理事会はその議論、報告書、決議等によって、国際規範の形成や変更に役割を果たしたのか、そうだとするならば、その役割を考察する上で「集団的正当性」の概念が有用であるか。これが、本研究が提示する学術的「問い」である
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研究実績の概要 |
1)英語論文、"Japan's Diplomats in the League Council: The Challenge of Managing Power and Idials in the Pacific Settlement of Disputes" を下記、編著である East Asians in the League of Nations: Actors, Empires and Regions in Early Global Politics に投稿した。 この論文内容は、国際連盟理事会が1920年代に「報告者」の役割を制度化し、また理事会では、連盟規約第11条改正問題が議論され、紛争の平和的枠組みを強化しようとする動きがあった。したがって、1920年代には連盟創設時にくらべて、理事会は実績を積み上げ、紛争の平和的解決への制度化が強化されたと言える。 このような連盟理事会の紛争解決枠組が制度化され、理事会メンバーの認識が高まっていた時に、起きたのが満州事変であった。この論文では、満州事変直後に、連盟理事会でどのような議論がなされていたかを検討した。 2)上記の英文論文集、East Asians in the League of Nations: Actors, Empires and Regions in Early Global Politics を共編著者であるLSE名誉教授のChristopher R. Hughes 氏と編集し出版した。この論文集は11名の執筆者(イギリス、スイス、中国、タイ、台湾、各1名、日本6名)から構成される。当研究者は、各執筆者と共編者ならびに出版社と連絡をとり総括的編集作業に従事した。また、序章を共同執筆し、文献目録を作成し、表紙のデザインも選定した。挿入写真、表紙デザインに関してはジュネーヴの連盟資料館から許可を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
連盟理事会に関する英語の論文を発表し共編著者として、East Asians in the League of Nations: Actors, Empires and Regions in Early Global Politics を出版できた。今までの研究成果を英語でまとめ、また他国の研究者を加えて、欧米中心であった国際連盟研究に、アジアからの視点を発信することができた。
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今後の研究の推進方策 |
1)これまでの研究成果が、共編著の形でまとまったので、各章の担当者とオンラインで会合を持って、この著作の意義や問題点を議論する。 2)次の研究プロジェクト、たとえば「国際連盟から国際連合へ」について、これまで一緒に議論を進めてきた研究者を中心に話し合い、どのような方向性で今後の国際連盟研究を行っていくか検討する。
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