研究課題/領域番号 |
21K01382
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
|
研究機関 | 叡啓大学 |
研究代表者 |
長岡 さくら 叡啓大学, ソーシャルシステムデザイン学部, 准教授 (10550402)
|
研究分担者 |
中川 智治 福岡工業大学, 社会環境学部, 教授 (50336046)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 外交文書 / AI技術 / データ分析 / 外交研究 / 国際法学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、人工知能(Artificial Intelligence、AI)技術を用いて外交文書データを国際法・外交研究に利活用するために行う研究である。また、本研究は、前置する研究課題の研究成果に基づき、引き続いて行う研究である。 本研究では、前置する課題の研究成果を踏まえ、入手可能な外交文書を多数入手し、数値解析ソフトを用い、作業及び分析を行うことによって、AI技術を用いた、研究者がこれまでに人力で行ってきた資料の「探し出し、読みこなし、分析する」といった一連の作業の一部を代替させるための手法について、より具体的な提案を試みる。
|
研究実績の概要 |
本研究は、人工知能(Artificial Intelligence、AI)技術を用いて外交文書データを国際法・外交研究に利活用するために行う研究である。本研究では、研究者が外交史料を用い行う研究過程における一連の作業(資料を「探し出し、読みこなし、分析する」)の一部をAI技術を用い機械に代替・補完させるための手法について、より具体的な提案を目指している。 これまでの検討結果から、外交史料を用い研究者が行う研究過程における一連の作業には、単に模資料を「探し出し、読みこなし、分析する」といった模式化された表現では捉えきれない様々な要素・工程が含まれていることが判明している。そのため、単純なアルゴリズム調整だけではなく、作業内容に合わせた工程を追加しなければならないことも判明している。 そこで、研究期間の三年次たる令和5(2023)年度は、「機械に文書を読みこなさせる過程」及び「機械に文書を分析させる過程」について検討を行った。検討は、単体の文書の読みこなし及び分析の過程から複数の文書に跨がる形での読みこなし及び分析を行う過程にへと検討範囲を拡大させていく形で行った。検討の結果、文書の時間軸(出版年の違いなど)が長期となる場合及び短期となる場合それぞれに、現状では機械が行った作業を人力にて代替・補完しなければならない要素を見出すことができた。 現状では、AI技術を用い機械に代替・補完させる形で、外交文書データを「探し出し、読みこなし、分析する」段階には到達できてはいないが、機械の作業成果を研究者が評価し、機械の作業成果に含まれる問題点を研究者が発見し、その問題点を補完する形で研究者自身が研究を行うことで、新たな研究が進む可能性について理解することができた。本年度は、この知見を踏まえた研究成果について公表することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、人工知能(Artificial Intelligence、AI)技術を用いて外交文書データを国際法・外交研究に利活用するために行う研究である。本研究では、当初、研究段階を、①文字認識アルゴリズムの構築(前提条件の整理)、②文字認識アルゴリズムとデータマイニングアルゴリズム連結の調整、③AI技術での補助・補完可能性の総括、の三段階に分けて検討を行うこととしていた。 現在は上述の第二段階について検討中である。これまでの検討結果から、外交史料を用い研究者が行う研究過程における一連の作業には、単に模資料を「探し出し、読みこなし、分析する」といった模式化された表現では捉えきれない様々な要素・工程が含まれていることが判明している。 そこで、研究期間の三年次たる令和5(2023)年度は、「機械に文書を読みこなさせる過程」及び「機械に文書を分析させる過程」について検討を行った。検討は、単体の文書の読みこなし及び分析の過程から複数の文書に跨がる形での読みこなし及び分析を行う過程にへと検討範囲を拡大させていく形で行った。検討の結果、文書の時間軸(出版年の違いなど)が長期となる場合及び短期となる場合それぞれに、現状では機械が行った作業を人力にて代替・補完しなければならない要素を見出すことが出来た。本年度は、この知見を踏まえた研究成果について公表することができた。 なお、これまでの新型コロナウィルス感染症の蔓延の影響や学内業務過多(研究代表者が四つもの学内運営業務(委員会・部会・WG)を担当、とりわけ、一つの部会について部会長を務めている)などにより研究時間の確保が難しい状況があった。工夫した結果、何とか影響を最小限に留めることができた。 これらの点から、本研究課題の現在までの進捗状況は、おおむね順調に進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究では、研究者がこれまでに人力で行ってきた資料を「探し出し、読みこなし、分析する」といった研究過程における一連の作業の一部を、AI技術を用い機械に代替・補完させるための手法について、より具体的な提案を目指している。 そして本研究では、先行研究での知見をふまえ、当初、研究過程を三段階に分割して計画していた。計画を踏まえ、現在、第二段階として「機械に文書を読みこなさせる過程」及び「機械に文書を分析させる過程」についての検討に取り組んでいる。 これまでの検討結果から、外交史料を用い研究者が行う研究過程における一連の作業には、単に模資料を「探し出し、読みこなし、分析する」といった模式化された表現では捉えきれない様々な要素・工程が含まれていることが判明している。そのため、単純なアルゴリズム調整だけではなく、作業内容に合わせた工程を追加しなければならないことも判明している。 現状では、AI技術を用い機械に代替・補完させる形で、外交文書データを「探し出し、読みこなし、分析する」段階には到達できてはいないが、機械の作業成果を研究者が評価し、機械の作業成果に含まれる問題点を研究者が発見し、その問題点を補完する形で研究者自身が研究を行うことで、新たな研究が進む可能性について理解することができた。 研究期間の最終年次たる令和6(2024)年度は、この点について更に検討を進めるとともに、本研究の総まとめとして第三段階の「AI技術での補助・補完可能性の総括」についての検討を行い、総括を行う予定である。
|