研究課題/領域番号 |
21K01384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大瀬戸 真次 東北大学, 経済学研究科, 教授 (00278475)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | メカニズム / 非分割財 / 耐戦略性 / パレート効率性 / 効率性 / 公平性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、非分割財配分問題における望ましいメカニズムの設計の可能性と限界を明らかにする。メカニズムとは、社会を構成する経済主体の選好情報に基づいて、どのような資源配分を行うかを決定する仕組みである。経済主体の私的情報を正しく収集するための「耐戦略性」という条件と、メカニズムの結果がもたらす資源配分を評価する基準である「効率性」や「公平性」の条件を兼ね備えたメカニズムの設計の可能性について詳しく考察する。
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研究実績の概要 |
本年度は、経済主体間で金銭の移転が可能な場合に、複数の同質的な非分割財を配分するための望ましいメカニズムの設計について研究を行った。望ましいメカニズムの条件として、(1)耐戦略性、(2)パレート効率性、の2つの公理を要求した。耐戦略性とは、各主体が自分の選好を正しく表明することが弱い意味の支配戦略となることをいう。パレート効率性とは、ある主体の状態を良くするためには、他の主体の状態を悪くしなければならないという意味で、非分割財と金銭が無駄なく配分されていることをいう。 Ohseto(2000, International Journal of Game Theory)は、非分割財の数が1つの場合において、(1)主体の数が2人である場合には、耐戦略性とパレート効率性を満たすメカニズムを設計できないこと、(2)主体の数がn人である一般の場合には、耐戦略性とパレート効率性と「均等補償性」を満たすメカニズムを設計できないことを証明した。 本年度の研究では、非分割財の数が1つ以上の場合において、各主体の選好集合がある条件を満たすならば、耐戦略性とパレート効率性を満たすメカニズムを設計できないことを証明した。この結果は、先行研究を2つの意味で改善している。1つは、非分割財の数が1つの場合だけではなく、2つ以上の場合にも適用できるということである。もう1つは、主体の数がn人である一般の場合に、たとえ「均等補償性」の条件を課さないとしても、耐戦略性とパレート効率性を満たすメカニズムを設計できないことを示していることである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究では、非分割財の数が1つ以上の場合において、各主体の選好集合がある条件を満たすならば、耐戦略性とパレート効率性を満たすメカニズムを設計できないことを証明することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究では、非分割財の数が1つ以上の場合において、各主体の選好集合がある条件を満たすならば、耐戦略性とパレート効率性を満たすメカニズムを設計できないことを証明した。今後の研究では、各主体の選好集合に関する条件を変化させたときに、耐戦略性とパレート効率性を満たすメカニズムの設計の可能性と限界を明らかにしていく予定である。
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