研究課題/領域番号 |
21K01411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07020:経済学説および経済思想関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
武藤 秀太郎 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (10612913)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 資本主義 / 社会主義 / 共産主義 / 李大釗 / マルクス主義 / 東アジア / 日本資本主義論争 / 中国社会性質論戦 / 中国社会史論戦 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、20世紀前半に展開された日本の「日本資本主義論争」、中国の「中国社会性質論戦」および「中国社会史論戦」を考察対象とする。具体的には、これら日中両国の論争にみられた相互連関性について、(1)中国人研究者が、日本のマルクス主義や歴史学研究を受容し、中国社会をどのように解釈したのか、(2)日本人研究者が、中国の論争をふまえつつ、中国社会をどう分析したのか、(3)論争後に展開された農村復興運動において、日中両国でいかなる交流がみられたのか、の3点を明らかにしてゆく。
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研究成果の概要 |
本研究の成果として、2022年4月にミネルヴァ書房より学術書『島田三郎 ―判決は国民の輿論に在り』を刊行した。この著書では、本研究対象である資本主義論争の淵源となる初期社会主義について、おもに第5章で考察をおこなった。 また、2023年8月に慶應義塾大学出版会より学術書『中国・朝鮮人の関東大震災 ―共助・虐殺・独立運動』を刊行した。本書の中で、日中の資本主義論争に大きな影響をおよぼした1910年代から1920年代にわたる社会・思想状況について、具体的な検討をおこなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1920年代末から1930年代にかけて展開された「日本資本主義論争」と「中国社会性質論争」「中国社会史論争」は、いずれも国名が冠せられていることもあり、これまでもっぱら一国的な枠組みから分析がなされてきた。これに対し、本研究は初期社会主義運動における人的ネットワークなどをもとに、日中両国の「資本主義論争」にみられた相互連関性の具体的な実相を明らかにした。こうした日本と中国の「資本主義論争」は、両国にまたがって起きた一連の思想運動にほかならない。従来の一国史観をのりこえ、トランスナショナルな新しい東アジアの思想史(intellectual history)像を提示した。
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