研究課題/領域番号 |
21K01420
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07030:経済統計関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大久保 正勝 筑波大学, システム情報系, 准教授 (30334600)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | モデル不確実性 / 曖昧さ回避 |
研究開始時の研究の概要 |
近年提案されたモデル不確実性を考慮したマクロ経済モデルに基づく実証的評価の中には、従来のモデル不確実性を考慮しない研究とは正反対の結果を得ているものが存在する。本研究は、こういった新たな結果を再評価するために、3つの方向で既存の分析を発展させる。第1に、モデル不確実性の尺度の新たな計算手法を応用し、既存の分析手法の簡素化と拡張を行う。第2に、分析対象を米国以外の先進国や発展途上国に広げることで、既存の結果の普遍性を検証するとともに、モデル不確実性の程度やその厚生費用の国家間の差を明らかにする。第3に、モデル不確実性の程度の違いがなぜ生じるのかを、マクロとミクロの両面から検討する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、近年提案されたモデル不確実性を考慮したマクロ経済モデルを実証的に評価する際に必要な分析枠組みを構築し、従来のモデル不確実性を考慮しない枠組みのもとで提示された実証的なパズルを再検討することであった。本研究の3年目である令和5年度は、前年度までの成果を踏まえ、大きく分けて3つのことを行った。第1に、再帰的効用を仮定した耐久消費モデルの理論的な検討を引き続き行った。再帰的効用を仮定した耐久消費モデルに対する異時点間の限界代替率(Intertemporal Marginal Rate of Substitution、以下IMRS)の従来の導出方法では、富の収益率に対して追加的な仮定が必要となることが知られているが、この仮定の経済学的な解釈は必ずしも明らかではないことが指摘されていた。この問題に対して、先行研究とは異なるIMRSの導出方法を検討することで、追加的な仮定に対して経済学的な解釈を与えることが可能であることを示した。第2に、前年度後半から開始したmultiplier preferencesを仮定したモデルに消費の長期リスクを組み込んだ場合の分析方法を引き続き検討した。第3に、実証分析を行う準備として、データセットの作成を行った。具体的には、国際比較を行う予定の日米を含む主要先進国について、分析に必要な経済変数と資産収益率の四半期系列を構築するために複数のデータソースからデータを収集し、当該分野で広く使用されているCampbellデータの構築方法に倣い、可能な限り直近の期間を含むデータセットを作成した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の後半から進めていた理論的な検討を予定どおり完了し、その成果を論文にまとめた。また、研究計画で予定していた実証分析に使用するデータセットの作成を完了した。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度の後半から開始した実証分析を進めるとともに、文献調査とモデルおよび推定方法の検討を並行して行う。また、他の研究者からのアドバイスを取り入れながら、研究を進めていく予定である。
|