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定常性検定問題への罰則付き推測理論の応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K01423
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07030:経済統計関連
研究機関信州大学

研究代表者

矢部 竜太  信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (60779164)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード時系列解析 / 移動平均モデル / 単位根 / 数理統計学 / 検定 / 確率論 / 計量経済学 / 移動平均過程 / 統計学
研究開始時の研究の概要

時系列解析では、時系列データをトレンドとその他(定常過程やサイクルなど) の確率過程に分解して解析することが一般的である。トレンドは有益な情報を多く含んでいるため、トレンドの有無に関する識別・検定問題は極めて重要である。
本研究では「データにトレンドは存在しない」ことを帰無仮説とする定常性検定問題を扱う。この検定には単位根移動平均(MA) 過程のScore 検定を基に提案されたKPSS検定を用いることが一般的であるが、この検定は初期値に依存し検出力が低い問題がある。
そこで本研究では、初期値の影響を取り除き検出力の高い検定手法の提案を行い、この研究成果を取り入れた罰則付き推定理論を提案する。

研究実績の概要

令和5年度は、初期値を0とする線型過程を誤差項にもつ条件付き移動平均モデルに対するWald検定の研究を行った。令和4年度も条件付き移動平均モデルに対するWald検定の検定を行ったが, 4年度はマルチンゲール差分過程のもとで行っていたものを, 誤差項に対してより一般化した線型過程を許した上での検定理論を構築した。 線型過程のもとでは, 補助方程式に基づいた最小2乗推定量の漸近分布は長期分散と短期分散の比を局外パラメータとして持つため, 最小2乗推定量をもとにした検定は実行不可能である。そこで 、帰無・対立仮説の両仮説のもとで長期分散と短期分散の一致推定量を提案し、最小2乗推定量の修正を行うことで実行可能な検定の提案を行った。
本研究で提案している検定は疑似対立仮説パラメータに依存するため, このパラメータを適切に選択する必要がある.そこで, 平均検出力基準に基づくパラメータの選択手法の提案を行った。これまでの先行研究では, 検出力関数が具体的な分布による陽な表現が得られない場合、正確さに劣るシミュレーションによる方法に頼らざるを得ないが, 本研究では特性関数をもとにした数値計算による手法を提案しており, これは本研究が研究対象としているモデル以外にも適用可能な極めて汎用性も高く、シミュレーションによる手法よりも正確である。
研究成果は, 国内では2023年10月10日に慶應義塾大学,海外では、2023 Joint Statistical Meeting(トロント)とIMS APRM 2024(メルボルン)にて報告を行った。さらに, COMPSTAT2024(ギーセン)に採択されたため学会報告を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度は令和4年度に引き続き1次のオーダーの条件付き単位根移動平均(MA(1))過程のWaldタイプの研究を行った。 令和4年度の仮定を拡張しWaldタイプの検定手法の提案を行うことに成功し, 数値計算による新たな疑似対立仮説パラメータ選択手法の提案を行った。いずれの成果も重要な貢献であると考えられるが, 新たな疑似対立仮説パラメータ選択手法の提案は本研究で扱うモデルを超え様々なモデルに応用が可能であり、既存の手法よりも極めて正確にパラメータを選択することができるため特に重要な貢献であると思われる。 以上のことから進捗状況は「(2)おおむね順調に進展している。」と言える。

今後の研究の推進方策

令和5年度までは、条件付き単位根移動平均過程のWaldタイプの検定手法についての研究を行った。令和5年度の予定としては、当初、初期値も撹乱項とする定常な単位根移動平均過程のWaldタイプの検定を行う予定であったが、計画を変更し線型過程を許すモデルにおける検定理論と検定結果に影響を与えるハイパーパラメータの選択問題に関する研究を行った。そこで, 令和6年度では、当初の計画通り初期値も撹乱項とする定常な単位根移動平均過程のWaldタイプの検定を行い、MA(1)モデルのWaldタイプの検定論を完成させる。 回帰式を導出する際に分散・共分散行列のコレスキー分解を用いるが, 条件付きのケースと比較して極めて複雑な形状であるため漸近分布の導出が極めて困難であることが予想される. Helmert変換とそれに関する漸近理論の文献を精査し研究を進めていく予定である. さらに, パネルデータにおける検定問題の研究も可能であれば行う予定である。また、COMPSTAT2024(ギーセン)に採択されたため学会報告を行う予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Dickey-Fuller type test for Moving Average Unit Root2024

    • 著者名/発表者名
      Ryota Yabe
    • 学会等名
      IMS APRM 2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Dickey-Fuller type test for Moving Average Unit Root2023

    • 著者名/発表者名
      矢部竜太
    • 学会等名
      慶應義塾大学計量経済学ワークショップ
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Dickey-Fuller type test for Moving Average Unit Root2023

    • 著者名/発表者名
      Ryota Yabe
    • 学会等名
      Joint Statistical Meeting 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] WALD TYPE TEST FOR CONDITIONAL UNIT ROOT MA(1) PROCESS2023

    • 著者名/発表者名
      矢部竜太
    • 学会等名
      第 17 回日本統計学会春季集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Dickey-Fuller test for MA(1) unit root process2022

    • 著者名/発表者名
      矢部竜太
    • 学会等名
      日本統計学会第16回春季集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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