研究課題/領域番号 |
21K01437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 秀夫 東北大学, 経済学研究科, 名誉教授 (40133897)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 連結財 / 線形の中間投入 / ケインズ的失業 / 多数国多数財 / 数量調整 / 国際産業連関分析 / リカード型貿易モデル / F. D. Graham / P. J. Stirling / 中間財貿易 |
研究開始時の研究の概要 |
世界貿易機関の統計によれば、世界の財輸出に占める中間財の割合は2018年に44%を占めた。にもかかわらず、中間財を含む貿易モデルの研究は十分ではなかった。最終財のみのモデルに比べて格段に複雑になるからだ。他方で、各種統計の整備とともに国際産業連関表の作成とそれに基づく分析はめざましい発展を見せている。両者は本来交錯してしかるべきなのだが、互いに没交渉のまま歩んできたといえる。本研究は、両者を架橋する試みである。
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研究実績の概要 |
本研究課題の第1の目的は、各国各部門で異なる線形の投入係数、各国の労働賦存量、各国の最終需要構造、各国の利潤率を外生変数としたとき、内生変数である国際分業パタ-ン、財価格、各国各財の生産量、各国の賃金率がどのように決定されるのかを明らかにするモデルの構築であった。このモデルは、国際産業連関表および国際産業連関分析と整合的であり、それの貿易理論的基礎をなす。 令和5年度には、この目的に沿った貿易モデルを構築することができた。具体的なイメージを提示するために、まず、2国3財モデルからはじめ、それを多数国多数財モデルに拡張した。連結財を持たない貿易モデルは需要変化に際して価格変化をもたらすので、国際産業連関表・分析とは相容れないが、連結財のある本モデルでは価格が安定しており、また、ケインズ的失業が存在するので、需要変化に対応して短期的な数量調整が行われることを示した。当該2国3財モデルに数値例を与えることによって国際産業連関表を構成できることも示した。その上で、当該貿易モデルと国際産業連関表・分析との比較を行い、両者の共通点と相違点を考察した。 研究成果を英文論文としてまとめ、国際ジャーナルに投稿し受理された。本項目執筆時点では、紙ベースでの掲載にはいたっていない(受理された順に掲載されていくので令和6年6月頃の掲載になる見込みである)が、Early View として当該ジャーナルのホームページ上には公開されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の第1の目的である貿易モデルの構築がなされ、その成果が英文論文として執筆され受理されていることからおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
構築した貿易モデルを基礎として、外生変数の変化が内生変数にどのような効果を与えるのかを分析する。最も重要かつ興味深いのは技術変化の影響である。 さらに、これとは別の研究系譜となるが、連結財を取り上げた過去の研究成果を整理し、貿易理論史に一石を投じたいと考えている。
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