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法人税の租税競争に関するマクロ経済分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K01450
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07040:経済政策関連
研究機関明治大学

研究代表者

盛本 圭一  明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (50609815)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード法人税 / 租税競争 / 経済成長 / 財政政策
研究開始時の研究の概要

近年の一貫した傾向として見られる法人税率低下の背景を理論的に考え,そうした政策の評価を理論モデルに基づく定性的・数量的分析によって行うことを目指す.租税競争の結果で決まる法人税率を計算し,全世界的に最適な法人税 率と比較しつつその理論的性質を精査する.租税競争の非効率性によって失われるであろう成長率と社会厚生を数量的に評価し,かつ望ましい税率選択への誘導メカニズムについて考察する.

研究実績の概要

本年度の研究実績は、法人税租税競争の厚生評価を行うベースラインの研究論文が査読誌に条件付き採択まで到達したことである。この論文の具体的内容は次の通りである。
企業が自由に立地選択をおこなう国際経済モデルを構築し、企業の集積と経済成長を念頭に置く法人税率の競争を国家間でおこなう理論モデルを構築した。ベンチマークとなる、全世界的に最適な法人税率を計算し、そのうえで競争によって実際に到達する税率を計算して、両者を比較した。その結果、国家間で知識の伝播が起こる程度に依存して、競争時の法人税率が過大になったり過小になったりすることが分かった。すわなち、知識の伝播が法人税租税競争の定性的結果を評価するうえで重要であることが分かった。
さらに、このモデルを現実の先進諸国のデータにフィットするようキャリブレーションを実施した。そして、法人税租税競争がもたらす厚生損失の大きさを測った。計測の仕方は、競争によって失われた社会厚生が、全世界的に最適な配分が達成されている場合との比較して何%分の消費減少と等価になるかを計算するというものである。その結果、ベンチマークとなるパラメータ値では0.14%程度の消費減少という評価を得た。これは、法人税の租税競争がもたらす厚生損失は、あまり大きくないということである。その理由は次の通りである。企業は生産性と税負担のバランスが良い立地選択をするが、それは社会的にも民間部門の租税負担と経済成長のバランスが最適である状況と同じであるため、長期的な経済成長は租税競争によって阻害されない。したがって、長期的には経済成長率が社会厚生の最も重要な要素であることから、法人税租税競争の長期的な損失はあまり大きくならない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度終了時点で、法人税租税競争のベースラインモデルが条件付き採択されており、概ね計画通りに成果が出ている。さらに、ベースラインモデルを用いた再分配分析の論文も原稿が上がりつつあるため、概ね順調に進展していると評価できる。

今後の研究の推進方策

今後は、今年度末で査読誌に条件付き採択になっている論文を正式に出版することが最初の課題となる。また、租税競争の再分配効果を測る研究が草稿完成間近であるため、それを公表して国内外の学会・セミナーで報告し改善する。また、 その結果を踏まえて、社会的に最適な状況に競争下で可能な限り近づける誘導問題に着手する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Flexible Debt Policy Rules in an Open Economy2023

    • 著者名/発表者名
      MORIMOTO Keiichi, TAKIZAWA Reo
    • 雑誌名

      SSRN eLibrary

      巻: 4406218 ページ: 1-31

    • DOI

      10.2139/ssrn.4406218

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Global Corporate Income Tax Competition, Knowledge Spillover, and Growth2022

    • 著者名/発表者名
      MAEBAYASHI Noritaka, MORIMOTO Keiichi
    • 雑誌名

      SSRN eLibrary

      巻: 40790004 ページ: 1-45

    • DOI

      10.2139/ssrn.4079004

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Tax Evasion and Optimal Corporate Income Tax Rates in a Growing Economy2021

    • 著者名/発表者名
      Takeo Hori, Noritaka Maebayashi, and Keiichi Morimoto
    • 雑誌名

      Macroeconomic Dynamics

      巻: 27 号: 3 ページ: 743-769

    • DOI

      10.1017/s1365100521000638

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] 研究代表者の個人ウェブサイト

    • URL

      https://sites.google.com/view/keimorimoto

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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