研究課題/領域番号 |
21K01461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
赤井 研樹 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (20583214)
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研究分担者 |
青木 恵子 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (10546732)
工藤 隆則 摂南大学, 理工学部, 講師 (80736695)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 共創 / 信頼 / 社会的孤立 / 生産システム |
研究開始時の研究の概要 |
本構想では共創アプローチを用いて、入れ子型のモデル構想の下、1)労働者心理モジュールで、労働者間の信頼を醸成する生産システムと社会的包摂の対価を検証し、2)生産システムモジュールで、生産システムの類型化と信頼を醸成するシステムの組み合わせを検証し、3)政策決定モジュールで、労働を支える社会保障のポリシーミックスを検証し、これらの相互作用によるボトムアップから労働のフレキシビリティに耐え得る社会保障制度を設計する。
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研究実績の概要 |
信頼がどのような生産システムで醸成するのかをマルチエージェントシミュレーションを行なった。労働者エージェントの相互依存型効用関数に信頼閾値を導入し、強化学習プログラムで回した。実験の結果をもとに、日々の惰性と合理性のトレードオフを検証する実験として、繰り返し実験を行い、信頼の醸成率と生産システムへの選好の時系列的変化を検証した。 労働者の社会的包摂の対価にかんするアンケートに対して、選択型実験法を用いて、社会的包摂への支払意志額を推計するための、チョイスセットの選択肢の候補の絞り込みを行った。労働の流動性を前提として、「正規社員」と「非正規社員」の2つの雇用体系下で、給料・労働時間・昇進の有無・雇用期間・再契約の有無に加えて、社会的包摂の項目として、健康保険・雇用保険・年金・労働組合などを属性変数として、チョイスセットのデザインを行なった。 生産システムは並列型と直列型に分けて、行動経済学に基づく損失回避の値を変更して、どちらの制度での協力率が上がるかの理論分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画の通りに進めており、シミュレーション、アンケートデザイン、理論分析が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
アンケートとして、労働の流動性を前提として、「正規社員」と「非正規社員」の2つの雇用体系下で、給料・労働時間・昇進の有無・雇用期間・再契約の有無に加えて、社会的包摂の項目として、健康保険・雇用保険・年金・労働組合などを属性変数として操作し、各属性への支払意志額を心理別・職業別に推計し、社会的包摂への支払意志額を推計・比較することで、信頼醸成のための社会投資額を算出する。併せて、社会資本として孤立・孤独・信頼・公平・他者依存の心理的尺度を問う。 マルチエージェントシミュレーションとして、労働者エージェントの相互依存型効用関数に信頼閾値を導入し、強化学習プログラムで回す。その後、実験の結果をもとに労働者の信頼閾値を推計する。これを基に、直列と並列生産の効率的な組み合わせ比率を導く。 マルチエージェントシミュレーションとして、労働のフレキシビリティとして、業績不振者を短期・中期・長期の3時点で解雇する設定で、現行の社会保障とアセットベース福祉型の社会保障の違いとして、一時的金銭保証と長期的な貯蓄や政府給付のどちらが労働者の協力性と生産性を向上させるかを比較する。 さらに、マルチエージェントシミュレーションとして、上のシステムを用いて、信頼閾値を設定した労働者エージェントを社会厚生が高かった生産システムおよび社会保障制度の組み合わせに導入する。このシミュレーションの結果のうち信頼と生産性が高いシステムの組み合わせを用いて実験を行う。
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