研究課題/領域番号 |
21K01464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 日本大学 (2022) 東京都立大学 (2021) |
研究代表者 |
飯星 博邦 日本大学, 経済学部, 教授 (90381441)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ヘテロエージェント・モデル / マクロ動学モデル / 社会保障・年金制度 / 非線形モデル / 数値シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
中期・長期の2つの観点から、労働生産性・資産保有額で異質性をもつエージェント・モデルによる金融・財政・社会保障政策を利用し、現代日本経済の持続的可能な政策的含意を検証する。 20年~50年の長期的については新古典派型実質OLG社会保障モデルを使い、社会保障政策と持続可能な租税構造のベストマッチな組合せについて社会厚生の観点から定量的に算出する。 基本モデル: ①新古典派型実質OLG社会保障モデルとしてMcGrattan & Prescott (2017, 2018)のFortranモデルを、日本のデータに適合させる。
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研究実績の概要 |
年齢、性別、正規・非正規の雇用形態の単位で、OLG(世代重複)タイプのヘテロエージェントモデルを用いて、日本の今後の社会保障政策(年金・医療・介護保険制度)を、実際の人口動態を前提として、数値計算によるシミュレーションを行った。これについては、"The Impact of the Social Security Reforms on Welfare: Who benefits and who loses across Generations, Gender and Employment Types?"というタイトルで、2022年の日本経済学会秋季大会で報告した。 さらに、同様に男女別のOLG(世代重複)タイプのヘテロエージェントモデルに、個人単位の労働生産性ショック(idiosyncratic shocks)を追加したライフサイクルモデルを使い、生涯期間にわたって、男女の時間配分(仕事、余暇、子育て時間)がどのように決定されるのかを、実際の日本のデータ(総務省による「社会生活基本調査」)との適合を測りつつシミュレーションを行った。この計算結果から、育児休暇制度等の政策効果を算出した。この研究については、”Child Care, Time Allocation, and Life Cycle " というタイトルで2023年の日本経済学会秋季大会で報告予定である。 なお、これらの研究の数値計算にあたって、ベルマン方程式を用いた動学計画法を利用している。この非線形の政策関数の計算精度を高めるうえで、並列計算を実装したサーバの利用が必須である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記述したように、1つ目の研究として、社会保障政策(年金・医療・介護保険制度)についての研究を取りまとめたうえに、2つ目の研究として、生涯期間にわたる男女の時間配分(仕事、余暇、子育て時間)に着手した。これらの研究を推進するために、高度計算用サーバの増設と整備を行った。
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今後の研究の推進方策 |
1つ目の研究である、社会保障政策(年金・医療・介護保険制度)についての研究を、雇用形態別の分類から高卒・大卒による学歴別の分類に改定してから投稿論文として完成させる。2つ目の研究である、生涯期間にわたる男女の時間配分(仕事、余暇、子育て時間)の研究のアプローチについて、パラメータを所与としたデータとの適合を図る「カリブレーション法」からエージェントの行動を規定するディープ・パラメータの推定に、研究手法を発展させる。3つ目の研究である、ヘテロエージェントとしての企業の生産性(TFP)を、実際の日本のミクロ(個票)データを使い、パラメータを所与としたデータとの適合を図る「カリブレーション法」を行い、2024年の日本経済学会への報告に向けて、研究のとりまとめを行う。
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