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親族企業の事業承継の安定性に関する理論と社会資本の影響も考慮した実証:沖縄の事例

研究課題

研究課題/領域番号 21K01470
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07040:経済政策関連
研究機関愛知大学

研究代表者

打田 委千弘  愛知大学, 経済学部, 教授 (50305554)

研究分担者 竹田 陽介  上智大学, 経済学部, 教授 (20266068)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード事業承継 / 親族企業 / 第三者承継 / 社会資本 / アイデンティティ
研究開始時の研究の概要

本研究は,所得・リスクの配分を家族内あるいは市場取引で行うかという「家族と市場の境界」の問題について,理論モデルを構築した上で,沖縄県における実地調査に基づき実証分析を行うことを目的とする.
研究の着想は,生産要素の調達を内製あるいは市場取引で行うかというコースの「企業と市場の境界」からの類推にある.地縁・血縁に基づく拡大家族が社会的アイデンティティを形成する沖縄を取り上げ,親族経営の事業承継を事例とする.

研究実績の概要

本研究は、所得・リスクの配分を家族内あるいは市場取引で行うかという「家族と市場の境界」の問題について、理論モデルを構築した上で、沖縄における実地調査に基づき実証分析を行うことを目的とする。研究の着想は、生産要素の調達を内製あるいは市場取引で行うかというコースの「企業と市場の境界」からの類推にある。地縁・血縁に基づく拡大家族が社会的アイデンティティを形成する沖縄を取り上げ、親族経営の事業承継を事例とする。
具体的には,Aghion and Tirole(1997)の不完備契約の下での権限委譲モデルを発展させ親から子へあるいは経営者市場で見出される第三者への名目権限の委譲が、どのような条件の下で安定した事業承継となるかについて、Alger and Weibull(2010)の動学的進化過程の安定性条件を用いて理論的に示す。また、沖縄の親族企業に対するアンケート調査やヒアリング調査を用いて実証するものである。
2023年度においては、2021・2022年度に引き続き親族内承継による安定的な企業成長はいかなる条件の下で達成されるかについて、承継プロセスにおける親族内の名目権限移譲に関する理論モデルの精緻化に取り組んだ。また、沖縄におけるソーシャル・キャピタルの重要性に関して、「沖縄県県民意識調査」個票データについて分析を着手し2023年11月に「公共心を通じたソーシャル・キャピタルの誘発効果-『沖縄県民意識調査』を用いた実証」 として研究報告を行った。
また、内閣府沖縄総合事務局・沖縄県等が主催したイベント:「地域の活動をつなぐ事業継承地域課題の解決と企業の成長に繋げるM&A」で、M&A企業に対するヒアリング調査に基いてファシリテーターを務め、沖縄県事業承継・引継ぎ支援センター等が発行する事業承継事例集に関する編集委員及びコラムを執筆した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の目的は、第一に、親族内承継における安定的な企業成長はいかなる条件の下で達成されるかについて、名目権限の委譲に関する理論モデルの精緻化、命題に対する実証として、経営者だけでなく後継者にも意識や意思疎通の程度についてアンケート調査やヒアリング調査を実施することである。第二は、第三者承継において社会ネットワークの果たす役割について理論モデルの精緻化や現地でのディスカッション、経営者・後継候補者、事業承継支援機関へのヒアリング等を行うことである。
研究実績の概要でも示したが、2023年度は、2021・2022年度に引き続き、理論モデルの精緻化について検討を進める一方で、『沖縄県県民意識調査』個票データをベースとした社会ネットワークに関する指標化にも取り組んだ。一定程度の進捗はあったが、コロナ禍の影響もあり、事業承継やM&A対象企業へのヒアリング及びアンケート調査に関して、若干の遅れが生じている。今回、研究期間の延長が認められたため、那覇商工会議所等と共同で実施予定のアンケート調査に向けて準備を進めている。アンケート調査結果に関する研究報告等は、2024年度中に実施予定である。

今後の研究の推進方策

2024年度は、2021・2022・2023年度と同様に、まず、親族内承継による安定的な企業成長はいかなる条件の下で達成されるかについて、名目権限の委譲に関する理論モデルの精緻化について、Alger and Weibull(2010)の動学的進化過程の安定性条件を用いて更に精緻化することを目指し最終的な成果を出したいと考えている。また、沖縄県事業承継・引継ぎ支援センターや那覇商工会議所など事業承継支援機関と共同で、経営者・後継者に意識や意思疎通の程度についてヒアリング調査やアンケート調査を進めたいと考えている。
第二は、第三者承継において社会ネットワークの果たす役割について理論モデルの精緻化を進め、『沖縄県県民意識調査』個票データを用いてソーシャル・キャピタルの指標化にも注力したいと考えている。また、経営者・後継候補者、事業承継支援機関へのヒアリング、セミナー等を実施したいとも考えている。2022年度に実施した日本M&Aセンターと共同で実施たアンケート調査も含めて、2024年度中に研究成果を報告予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (24件)

すべて 2024 2023 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (9件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] 「沖縄県の後継者不在率の推移と特徴について」2024

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 雑誌名

      2023年度事業承継事例集『ミライへつなぐ』

      巻: 1 ページ: 5-9

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 事業承継と支援機関のサポート活動について-沖縄県の経営指導員意識調査アンケート結果から-2023

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 雑誌名

      『年報 中部の経済と社会』2022年版

      巻: 1 ページ: 49-63

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 東三河の事業承継2023

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 雑誌名

      『東三河の経済と社会』第9輯

      巻: 1 ページ: 413-425

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 東三河の労働生産性について-市町村別の特徴-2023

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 雑誌名

      『東三河の経済と社会』第9輯

      巻: 1 ページ: 127-144

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Nurturing Strength of Extended Family: Toward longtermism as good ancestors2023

    • 著者名/発表者名
      竹田陽介
    • 雑誌名

      『経営総合科学』

      巻: 118 ページ: 147-153

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] COVID-19が事業承継にどのような影響を与えたのか?-沖縄のアンケート調査から-2022

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘,上山仁恵,島袋伊津子
    • 雑誌名

      『沖縄経済環境研究』

      巻: 11号 ページ: 43-59

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ポスト・コロナ危機と経済2022

    • 著者名/発表者名
      出島敬久,青木研,中里透,竹田陽介
    • 雑誌名

      『上智経済論集』

      巻: 67 ページ: 45-81

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 沖縄県・後継者不在率の推移から-全国平均との比較-2022

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 雑誌名

      那覇商工会議所事業承継事例集『未来へつなぐ』(2021年版)

      巻: 1 ページ: 2-7

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 地域における事業承継の現状と課題について-沖縄県・愛知県に関するアンケート調査の比較から-2021

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 雑誌名

      『三遠南信地域連携研究センター紀要』

      巻: 7 ページ: 84-89

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「自治体関与型事業承継支援モデルの現状と課題」2024

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 学会等名
      愛知大学中部地方産業研究所「地域・産業・大学」報告会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「公共心を通じたソーシャル・キャピタルの誘発効果-『沖縄県民意識調査』を用いた実証」2023

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘、竹田陽介、島袋伊津子、上山仁恵
    • 学会等名
      愛知大学経営総合科学研究所:2023年度「鹿児島ワークショップ」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] “How fair this spot? Evidence from structural estimates of the wage Phillips relation”(with Shingo Umino)2023

    • 著者名/発表者名
      竹田陽介
    • 学会等名
      愛知大学経営総合科学研究所:2023年度「鹿児島ワークショップ」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 事業承継・M&Aに地域性はあるのか?-愛知県を例にした分析-2022

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 学会等名
      ゆうちょ財団大阪研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 拡大家族のつむぐ力「よき祖先」の系譜2022

    • 著者名/発表者名
      竹田陽介
    • 学会等名
      第25回WUB世界大会基調講演
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] リバースモーゲージの新展開-現状と普及のための今後の課題-2022

    • 著者名/発表者名
      竹田陽介
    • 学会等名
      日本不動産学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「商工会議所・商工会への経営指導員向けアンケート調査に関する考察」2022

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 学会等名
      愛知大学中部地方産業研究所第21回「地域・産業・大学」公開研究発表会(2021年度)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] COVID-19が経営者の事業承継の行動にどのような影響を与えたのか?-沖縄のアンケート調査から-2021

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 学会等名
      生活経済学会中部部会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] COVID-19が事業承継にどのような影響を与えたのか?-沖縄のアンケート調査から-2021

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 学会等名
      ゆうちょ財団大阪研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] COVID-19が事業承継にどのような影響を与えたのか?-沖縄のアンケート調査から-2021

    • 著者名/発表者名
      打田委千弘
    • 学会等名
      研究コンファレンス「事業承継と世代間の互恵性―コミュニケーションの観点から―」(愛知大学経営総合科学研究所)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「事業承継と世代間の互恵性-コミュニケーションの観点から-」座談会・ファシリテーター2021

    • 著者名/発表者名
      竹田陽介
    • 学会等名
      研究コンファレンス「事業承継と世代間の互恵性―コミュニケーションの観点から―」(愛知大学経営総合科学研究所)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「事業承継の支援と金融のネットワーク」2021

    • 著者名/発表者名
      竹田陽介
    • 学会等名
      日本M&Aセンター東京本社
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] 沖縄タイムスに経済学部 打田委千弘教授の寄稿文(第1回)が掲載されました

    • URL

      https://www.aichi-u.ac.jp/news/46911

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] 沖縄タイムス・琉球新報に、経済学部教授 打田委千弘先生の記事が掲載されました

    • URL

      https://www.aichi-u.ac.jp/news/49330

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [備考] 研究コンファレンス「事業承継と世代間の互恵性―コミュニケーションの観点から―」を開催しました

    • URL

      https://www.aichi-u.ac.jp/kenkyu/news/48298

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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