研究課題/領域番号 |
21K01476
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
|
研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
東方 孝之 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター東南アジアI研究グループ, 研究グループ長 (70450533)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 自然災害 / リスク選好 / 時間選好 / インドネシア / 人的資本 / 家計内資源配分 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では自然災害の多発するインドネシアを事例に、自然災害が個人の経済的選好にもたらす変化を探る。その上で、親の経済的選好の変化が家計内資源配分、なかでも子どもの教育や健康といった人的資本への投資に及ぼした影響についても分析を進める。分析にあたっては、まず、コミュニティ・レベルで得られる自然災害情報のパネルデータを構築し、位置情報を基に個人・家計パネルデータとマッチングさせたデータセットを準備する。次に、自然災害の発生前後および被災地・非被災地の比較という実験的状況を利用して、因果関係の識別を試みる。
|
研究実績の概要 |
本研究の主な目的は、自然災害が多発する国として知られるインドネシアを事例に、被災経験がリスク選好や時間選好といった経済的選好に与えた影響を探ることである。具体的には、様々な条件の違いを考慮に入れた(コントロールした)うえで、自然災害が発生した地域とそうでない地域に住んでいた個人について、自然災害の事前・事後とで経済的選好を比較する計画を立てている。ここで極めて重要となるのは良質なデータセットの構築である。なかでも、一定期間にわたって同一個人ならびに同一地点の情報を定期的に収集してきたデータ(パネルデータ)を用いたデータセット構築作業が必要不可欠である。本研究では、同一個人については、1993年から2014年にかけて米国のRAND研究所が5ラウンドにわたって情報を収集・公開している家計パネルデータ(IFLS)を用いている。一方、同一地点という点では、インドネシアでは約8万の最末端行政組織(以下、村)単位で、おおよそ3年に一度の悉皆調査(Podes)を実施しており、このデータを1990年代まで可能な限り遡って村レベルのパネルデータ化する作業を進めている。Podesには自然災害情報が含まれているため、このパネルデータを使うことにより、自然災害の被害が及んだ地域を村レベルで年ごとに確認することが可能となる。ただし、1990年代の村の分裂・統合についての情報不足から、2023年度はPodesのパネル化作業を進めるとともに、分析については2000年代以降のPodes情報を活用しての推計作業を行った。前年度にはPodesのパネル化作業が終わった地域に限定しての暫定的な分析を行ったが、2023年度には対象地域を拡張して、2000年代のPodes情報を活用した分析を試みた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
村落センサスデータのパネル化および家計パネルデータとのマッチング作業に当初の計画以上に時間を要したため。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、新型コロナ感染症の拡大というパンデミックを題材に、政治的選好が新型コロナワクチン接種率に与えた影響を探ったDiscussion Paper(Covid-19 vaccine hesitancy in Indonesia: Association between trust in the government and vaccination coverage)の改訂作業を進める。また、地震などの自然災害の発生が危険回避度に及ぼした影響の推計については、個人の幼年期以降についての自然災害の経験の確認などを踏まえた分析を行うなど、頑健性を確認したうえでDiscussion Paperとして分析結果をまとめる。
|