研究課題/領域番号 |
21K01479
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高木 聡一郎 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (80775437)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | プラットフォーム / 労働 / 経済的影響 / マクロ経済 / イノベーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、オンライン・プラットフォームを介した労働提供の普及が経済に与える影響を明らかにすることを目的とする。オンライン・プラットフォームを介した労働提供は雇用契約のもと労働提供を行うのではなく、個人の自律性に立脚して直接顧客への価値の提供を行うことに特徴があり、近年急速に普及している。本研究はオンライン・プラットフォームを介した労働提供の現状及び将来普及を推計し、オンライン・プラットフォームを介した労働提供がGDPや賃金などのマクロ経済変数に与える影響を定量的に把握する。また、個人に立脚した経済活動が、イノベーションや創造性に与える影響を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は「オンライン・プラットフォームを介した労働提供の普及が経済に与える影響を明らかにすること」である。その中心となるサブテーマはオンライン・プラットフォームを介した労働提供の現状の把握及び将来の推計を行うことであり、今年度も特に本サブテーマに注力した研究を実施した。
本サブテーマでは、ボトムアップ推計、アンケート調査、O*NETデータベースの職業属性を活用した機械学習による推計という3つの手法を統合した推計を行う計画であるが、このうちボトムアップ推計とアンケート調査を完了した。アンケート調査は、クラウドソーシングのプラットフォームの利用経験者1,500名を対象として行い、クラウドワークの利用状況、内容、対価、利用目的等についてデータを収集した。また、日本版O*NETの職業属性とのデータ結合を行い、職業属性ごとのクラウドワークへの親和性やインセンティブを分析した。これらのデータ及び既存データも並行して活用し、2022年の日本経済政策学会国際会議、社会・経済システム学会全国大会にて発表を行った。
また、これまでの成果を含めて発展させ、職業と都市への居住インセンティブとの関係についても、2023年春に発刊予定の書籍に収録し、出版する予定である。その他、DSGE分析については実績のあるDSGEモデルをプラットフォーム労働に応用するために観点について文献レビューを実施した。また、ブロックチェーン技術を活用した新たなプラットフォーム労働である分散型金融に関する最新動向について調査するため、ロンドン大学ブロックチェーン研究センターを訪問し、ワークショップへの参加、意見交換を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケート調査を基にしたデータ分析と発表は概ね順調に進展しており、学会での発表や書籍公刊等の形で成果の発表も行っている。特にアンケートデータとO*NETデータの統合を行い、クラウドワーカーの職業特性とインセンティブについて分析を行い、学会発表および査読への投稿を行った。コロナ禍の影響もあり国際的な調査がやや遅れており、データ分析で補完する等の検討を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
プラットフォームを介した労働の中でも、焦点を絞り、特にブロックチェーン技術を活用した自律分散型組織(DAO)に着目した分析を行っていく予定である。DSGE分析についても、DAOの観点を組み込みながらマクロ経済への影響をモデル化することに取り組んでいきたい。また、コロナ禍の影響もあり日英の現地調査が予定通りに進まなかったため、データ分析によってプラットフォームを介した労働の国際比較についても行っていきたい。
|