研究課題/領域番号 |
21K01500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大坪 滋 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (40247622)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | インクルーシブな開発 / 経済開発政策 / 制度改革 / 成長・格差・貧困削減 / 貧困削減の三角形 / グローバリゼーション / グローバル・ディカップリング / 持続可能な社会 |
研究開始時の研究の概要 |
「持続可能な開発目標(SDGs)」では、あらゆる形態の貧困の撲滅を世界的に目指す上で、改めて開発途上国に於ける経済成長・雇用創出エンジンの必要性が再認識されると同時に、先進諸国も含めて、国内の所得・資産・機会の格差拡大に対処するインクルーシブな開発実現が謳われている。本研究では、従来、経済成長と格差対処政策が別々に語られ実施されて来たのに対し、インクルーシブであることを担保した経済成長政策・制度改革を、これまでの諸国における経済開発、格差是正に関わる経験知と、経済グローバリゼーションのインパクトについての分析を再統合し、計量数理モデル等も活用しつつ、インクルーシブな開発政策デザインに取り組む。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、過去30年余に渡り、申請者が国際機関、我が国政府、途上国政府、国際開発の大学院において実施して来た経済開発政策についての政策対話、人材育成、これを支える政策研究、中でも直近の20年弱の期間の科研個人研究および国際共同研究で蓄えられて来た途上国経済開発政策、制度改革についての知見とデータ、計算可能な一般均衡分析モデル等の政策シミュレーションモデルを活用し経済開発政策を整理統合提示することにある。 時空と地理を超えて政策ケースを整理統合して比較評価する、マクロやセクター/メソ次元の政策の「付帯環境条件コントルール型比較ケース分析」の確立と実施を目指し、これにより、従来の諸国横断型やプール型の計量分析において固定効果(Country/Time Fixed Effects)としてブラック・ボックスに押しやられていた、インクルーシブな経済開発に実は大変重要な要素や、世界経済環境等の途上国のコントロール外にあり、国際開発協力コミュニティがそのガバナンスに責を負うべき要因をあぶりだすことを目指す。また、多くの開発途上国の政策担当者やそれを支えるアドバイザー研究者の現場の知見を集約しつつ実施するところにも本研究の独自性、創造性が存在する。 昨年度までにインドネシアを対象に、本研究の指向するインクルーシブな開発を目指す諸政策の比較吟味に繋がる、貧困や格差(所得格差、地域間格差)の長期に渡る動向把握とその要因分析を行い、2篇の学術論文として公表してきた。 今年度は、引き続き現地調査が行えない中、関連データを仮収集し、政策の成長と格差への影響と貧困削減結果による類型化を行ってきた。大変時間のかかる作業であるが、類型化と計量分析のアウトライヤー特定の試みを続けている。 これらからケースを特定しつつ、対象国、対象政策の現地調査に繋げる準備作業を継続した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
引き続き現地調査がなかなか行えない中、関連データを仮収集し、政策の成長と格差への影響と貧困削減結果による類型化を行ってきた。大変時間のかかる作業であるが、類型化と計量分析のアウトライヤー特定がある程度レジリアンスを持って完了しないと、現地調査が的はずれになってしまう。初期の現地調査で、計量的のみならず帰納法的に現地の政策担当者の知見にも頼り、深く分析する政策ケース検出へのヒントを得る予定であったが、COVID-19により、これが実現出来ていないことが最大の遅延原因であり、プロジェクト推進の障害となった。
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今後の研究の推進方策 |
前項で説明した事由により、本科研プロジェクトの進行には遅延が生じてはいるが、本研究プロジェクトは更に時間を掛けて取り組むべき本研究者の研究と実務の集大成としてのプロジェクトでもあり、本科研プロジェクトはその初動期間に当たるものであるので、引き続き政策の類型化とケース特定に努めつつ、対象国、対象政策の現地調査に繋げる準備作業を一歩一歩進めて行きたい。併せて、複数の開発途上国において研究協力者となる研究者、政策実務者の掘り起こしを進めて行く。
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