研究課題/領域番号 |
21K01504
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 下関市立大学 |
研究代表者 |
奥山 忠裕 下関市立大学, 経済学部, 教授 (20422587)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 消費抑制 / 便益計測 / 観光需要 / 社会厚生 / リスク指標 |
研究開始時の研究の概要 |
感染症などの負の外部性の影響による経済損失は世界規模まで拡大するカタストロフ・リスクの側面を持つ。このリスクを回避するためには,健康リスクと経済の持続性のバランスをとるための指標の開発が急務である。本研究では感染症の波及過程における,①消費者側のリスク受容指標の理論モデルの開発と対策施策を考慮した実証分析,②生産者側のリスク受容指標の理論モデルの開発と対策施策を考慮した実証分析,③回復施策の最適タイミングの分析と市場の持続可能性の検証を通じて,不確実性下における経済活動の持続可能性を維持する政策分析を行うことである。
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研究実績の概要 |
新型コロナウィルス(COVID-19)の発生以降,消費の抑制が継続している。特に,観光産業はその被害を最も受けた産業といえる。消費の抑制は,観光資源,特に自然環境の保全のための事業評価に影響する。それは,事業評価に用いられる便益値が観光地を訪問した人々の消費に基づくためである。 本研究の目的は,この抑制された消費量を計測データに加えることで,消費の抑制分を副次的便益として計測する便益評価モデルの構築である。本研究のモデルによって,COVID-19で隠された便益(社会的ニーズ)を政策決定者に明示的に提示可能になると考えられる。本研究の特徴は,観察された観光地への訪問回数と中止した回数(中止回数)のデータを収集・合算し推計に用いることで,主便益とともに副次的便益値を計測可能とする簡便なモデルを提案したことである。理論モデルにおいてそれらを訪問率で案分することでぞれぞれの便益値が計測されることを示した。次に,実証例として観光活動と観光地の魅力の評価に関する調査データを用い推計・計測例を示した。重回帰分析(OLS)と離散選択モデル(RDCM)を用い,既存研究と同様に訪問回数のみを用いた場合(Case1)と訪問回数に中止回数を加えた場合(Case2)を行った。Case1は既存研究の推計モデル,Case2は本研究の主便益と副次的便益の計測モデルである。 推計の結果,OLSではCase2のあてはまりがよく,RDCMではCase1のあてはまりがよい結果となった。次に,RDCMによる便益計測を行い,副次的便益を事業評価に考慮する必要が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の全体像は観光客(需要側)と旅行会社(供給側)の感染リスクに対する行動分析を行うことにある。本年まで需要者側の理論モデルおよび実証分析を行い,また,次年度以降の分析である供給者分析に関する理論モデルおよびデータ収集を行ったためおおむね順調に進んでいるものと評価した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果に基づきリスクを考慮した均衡モデルを構築し観光需要の回復過程における政策シミュレーション分析を行う。政策の内容は上記までの実証分析の結果に基づき選択し,政策分析の調査に活用する。また,既存研究を参考に感染の収束期を定めたベースモデルと,上記の実証結果に基づく本研究のモデルとの比較を行い,観光市場における社会厚生を回復する最適経路を検証する。これらを踏まえ,政策実施のタイミングの差異を複数のパターンで検証し,経済損失と社会厚生の程度を比較することで,感染症存在下でも社会的に許容可能な経済政策を提示する。
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