研究課題/領域番号 |
21K01509
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
鈴木 唯 武蔵大学, 国際教養学部, 教授 (80746694)
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研究分担者 |
鈴木 紫 共立女子大学, 国際学部, 専任講師 (80775601)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 海外直接投資 / 雇用 / 経営者 / 企業統治 / 不確実性 / 国内雇用 / 賃金水準 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,日本企業の海外直接投資が企業内の国内雇用や賃金水準に及ぼす影響を企業経営体制という観点から考察すると共に,投資元の国の政策の不確実性が直接投資の実施に影響を与えるという仮説を検証する.第一に,リスク回避的と目される日本企業を経営者の属性や構成から見直し,それらの差異が直接投資を通じて企業内雇用や賃金に及ぼす影響の違いについて海外進出企業の個票データを基に実証的に分析する.第二に,直接投資元の国の政策全般に加えて財政政策,金融政策,為替政策そして通商政策といった個別の政策の不確実性が企業の直接投資に与える影響を,業種別の直接投資残高データ及び政策リスク指標を用いて実証的に検証する.
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研究実績の概要 |
本研究は、日本企業の海外直接投資が企業内の国内雇用や賃金水準に及ぼす影響を企業の経営体制という独自の観点から考察する(研究課題1)、②直接投資元の国の政策の不確実性が企業の直接投資の実施に影響を与えるという仮説を検証する(研究課題2)ことを目的としたものである。2023年度は、研究課題1、2ともに、2022年度に続き、「海外進出企業データベース」や「役員四季報データ」を基とした企業データを整理するとともに、追加的な企業の基礎的データを入手して統合することで、パネルデータを完成させ、主として基礎的分析を行った。そのうえで、研究課題1、2ともに、先行研究も整理しながら、実証分析の段階に移行した。研究課題1、2に関するデータの整理や基礎的な統計分析の中で、日本企業の現地法人の進出先の変化にも着目し、特に企業が直面する不確実性が高まる中国における現地法人の新規設立、継続、撤退の特徴を業種別、地域別に分析した論文として、「中国における日本企業の海外事業の動向」を公表した。さらに、研究課題2については、日本企業の海外進出と進出先(国)の不確実性や進出年の不確実性に焦点をあてた実証分析を遂行した。その基礎的分析として、2010年代の日本企業の現地法人の新規設立、継続、撤退と親企業の特性(上場区分、本社所在地など)の関係を検証した論文として、「日本企業の海外事業における意思決定と企業の特性」を公表した。これらの基礎的分析の結果を踏まえて、研究課題1については、企業の経営体制と企業の海外事業での意思決定、研究課題2については、日本企業の直接投資と不確実性に関する実証分析をさらに遂行しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は2022年度から継続して企業レベルデータの整理、パネルデータの完成に取り組み、実証分析の段階に移行したが、研究課題1、2ともに遅れが生じている。遅れの主たる要因として、実証分析において、当初入手可能予定だったデータが欠落していたために、企業レベルの基礎的情報が入った追加的データの入手や統合が必要となったこと、データの統合などの実証分析の準備に時間を要したことがある。データの入手可能性に即した研究課題内容の軌道修正が必要となったことも、研究の遅れにつながっている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度までの基礎的分析、先行研究も踏まえて、今後、研究課題1、研究課題2の実証分析を併行して遂行する予定である。研究課題1では、企業の経営・統治体制という観点から日本企業の直接投資における意思決定について、企業レベルデータに基づいた実証的な検証を行う。研究課題2では、研究課題1において整理した企業の直接投資データを活用し、さまざまな不確実性との関係に焦点をあてて実証分析を行いつつ、COVID19やロシアのウクライナ侵攻などの不確実性にも着目した長期的な研究につなげる方向性も探ることとする。2024年度には、現段階で入手できた年度のデータを用いて実証分析を行うこととする。研究課題1、研究課題2ともに、実証分析結果をまとめて、論文執筆を行い、論文投稿、学会発表につなげる予定である。
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