研究課題/領域番号 |
21K01522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩本 康志 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (40193776)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 政策評価 / COVID-19 / 新型コロナウイルス感染症 / SIRモデル / 費用便益分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、感染症対策が経済社会活動に多大な影響を与えたことから、「実際にとられた対策は、健康と経済のトレードオフ、および健康と自由のトレードオフのもとで、適切に行われてきたか」を問う。集計量によって経済的被害は集計量で表されることが多いが、社会的立場の弱い層が大きな影響を受けており、集計量で示されるよりも深刻な実際の損失の姿を解明する。また、緊急事態宣言下の営業自粛要請を事例として、自由の制限の社会的費用の概念的整理を行う。
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研究成果の概要 |
「実際にとられた対策は、健康と経済のトレードオフ、および健康と自由のトレードオフのもとで、適切に行われてきたか」という問いに対する理論的基礎を構築するため、健康と自由のトレードオフの概念整理をおこなった。COVID-19対策に対する経済学の貢献として、(1)健康と経済のトレードオフを明確にして、費用対効果の高い対策を実行すること、(2)人々の行動を理解すること、の2つの視点の重要性を指摘した。実際の対策は、人々の行動を理解していないことから問題を生じさせていると思われる。対策の運用は、対策に協力する費用を高めることで、人々の協力を失わせる方向に働いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感染症数理モデルに基づく分析結果が2020年春の政策の選択にどのような影響を与えたのかを検討した。感染症専門家は接触8割削減を強く主張したが、分析では科学的に正当化できない、不適切な操作がされていた。これらはすべて、8割削減を代替案より有利にする方向に働いていた。接触8割削減は科学的根拠に基づくものではなく、感染症専門家が提供した分析結果を無批判に受容して、当時の政策過程を研究することは、事実誤認から出発するため、危ういものとなる。
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