研究課題/領域番号 |
21K01543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 京都女子大学 (2023) 横浜市立大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
安川 文朗 京都女子大学, データサイエンス学部, 教授 (90301845)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 難聴 / リスク認知 / QOL / 社会的リスク / リスク / 公的支援 / 補聴器業界 / 難聴者 / 社会経済リスク / リスク評価 / 定量分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、難聴者が直面する現在および将来の経済的問題と社会参加に関わるリスクを、「難聴者自身の選択機会の保証」という観点から包括的な生活の質(QOL)として評価する。先行研究の限界を克服するため、難聴者と健聴者、支援に関わる行政、民間支援機関、福祉機器製作者等に対する聞き取り調査と質問紙調査を実施し、上記で明らかになった課題から政策的な支援体制の改変を提案する。なお本研究の分析対象は、主として高齢や疾病などにより難聴となったいわゆる後天的難聴者であるが、比較対象として先天的な難聴者にも同様の調査を行い、両者のリスク認知差を確認して、状況に適応した支援策の必要性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、難聴者が直面する社会的リスクの程度とその背景と、その軽減のために必要な政策介入に難聴者健聴者を含む市民がどの程度コミットしているかを、難聴支援の現場の実践状況をふまえた質問紙調査によって明らかにすることを目的とした。調査の結果から、難聴者の多くは自身の難聴という状況を他者に知られたくないと考える傾向が強くあり、それゆえ他者とのコミュニケーションが希薄になり、鬱状態に落ちりやすいことが確認された。また、駅アナウンスや車のクラクション、病院での呼び込みや会議の内容、工事現場の音の社会生活に関わる音への聞こえの悪さに対して大きな不安を感じていることを定量的に明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、通常医学や福祉で議論されている難聴者の直面する課題を、社会的リスクとその背景要因という視点で再構成し、単に難聴レベルの高さだけでなく、就労状況や家族の状況、自身のメンタル的課題との関わり等の個人属性をふまえて詳細に検討したものであり、その成果は、難聴者の持つ課題を難聴者自身の立場からも、政策的立場からも、また健聴者(支援者)の立場からもより立体的に把握することに貢献するものと考える。たとえば外出時の様々な音の洪水のなかで、その状況や性質によって若年期に難聴になった人とそうでない人、あるいは高齢者とそれ以外の人で、リスクとしてのとらえ方に差があることが明らかにできた。
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