研究課題/領域番号 |
21K01550
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
上田 薫 南山大学, 経済学部, 教授 (40203434)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | share function approach / destructive contests / equilibrium payoffs / prize function / convexity / Share function approach / Group contests / Homothetic functions / Two-tire CES functions / Subgroups / Prize-sharing rules / Share-function approach / Product Differentiation / Asymmetry / Oligopoly model / Substitutability / 集計可能ゲーム / シェア関数 / 公共財の自発的供給 / コンテスト / 異質性 |
研究開始時の研究の概要 |
集計的ゲームに関するシェア関数アプローチを、公共財の自発的供給および集団コンテストに関する問題に適用することで、集団構成員間の異質性が集団全体のパフォーマンスや構成員たちの厚生に及ぼす影響について、理論的に明らかにする。具体的な目標は以下の通りである。 〔1〕集団間競争から生じる集団利益分配パターンの同定、〔2〕災害リスク低下への自発的貢献モデルの構築、〔3〕生産・収奪モデルの集団間紛争への拡張、〔4〕複数貢献手段を持つ異質な構成員による集合行為モデルの構築を試みる。
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研究実績の概要 |
Boston Collageの小西秀男教授及び法政大学の小林教授と行っている集団コンテストにおける報酬制に関する共同研究の成果を共同論文“Prize-Allocation Rules in Generalized Team Contests” として完成させた。投稿したところ改訂後再投稿という判定で好感触を得ているが、改訂作業の過程でプライズの価値がコンテスト参加者たちの努力の投入量に依存して変化する generalized contest に関する文献の再調査を行ううち、経済厚生に関する通常のコンテストとの比較に関する従来の結果の興味深い一般化の可能性を見出した。これは報告者個人の成果である。この発見の基本部分の適用例として、(参加者たちの努力の投入量増加に伴いプライズの価値が低下する)破壊的コンテスト参加者たちの均衡利得水準が通常のコンテストのそれを優越するための十分条件を示す論文を公刊した。この方向での研究成果も、国際雑誌への投稿論文に発展させていくことを目指したい。 研究成果:論文 『破壊的コンテストの厚生分析』 概要:参加者たちの努力の投入量増加に伴いプライズの価値が低下する「破壊的コンテスト」は、プライズの価値がコンテスト参加者たちの努力の投入量に依存して変化する generalized contestの代表的類型のひとつである。シェア関数アプローチの適用により、コンテスト参加者たちの均衡利得水準を標準的コンテストのそれを比較するための式の導出が可能になり、破壊的コンテスト参加者の均衡利得が標準的なコンテストのそれを優越する可能性について、従来よりも一般的な条件を示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Boston Collageの小西秀男教授及び法政大学の小林教授と行っている集団コンテストにおける報酬制に関する共同研究の成果を共同論文の形にしたことは今年度の大きな成果であった。投稿先の反応も良好であったが、報告者の勤務先における業務等の影響で互いに直接会う時間を作ることが難しく、改訂に時間を取られたことで今年度中の公刊には至らなかった。他方で改訂の過程で今後の研究に関するいくつかのヒントを得られたことは収穫だった。特に、generalized contest の一種である破壊的コンテストに関する研究の進展は生産・収奪モデルの集団間紛争への拡張を具体化する上で有用であり、今後もこの路線での論文作成を予定している。また、シェア関数アプローチの産業組織論への応用の進展として、逐次的クールノー寡占(クールノー寡占もgeneralized contestの一種と解釈できる)の新モデルのアイディアも得た。これらに関する論文の執筆・投稿と前述の投稿論文公刊の完遂のため、助成期間の延長を許可して頂いたことを感謝したい。
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今後の研究の推進方策 |
①個別報酬制の導入に関して:すでに述べた通り、投稿後の改訂を終了した段階である。②災害リスク低下への自発的貢献モデルについて:この方向については大きな進展はなかった。③生産・収奪モデルの集団 間紛争への拡張について:破壊的コンテストモデルとして読み替えるという発展性を見込める方向を見いだせたので、これに沿ったモデル分析を進める。④産業組織論への応用:競争政策上の議論の多くでは継起的寡占の枠組が必要だが、標準的モデルは小売市場では寡占的に価格支配力を行使する流通業者が卸売市場では価格受容者として行動するという非整合性を抱えていた。シェア関数アプローチにより、この問題を克服した新たなモデルによる分析を試みる。
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