研究課題/領域番号 |
21K01558
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
清水 克俊 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (80292746)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 銀行 / 行動経済学 / 流動性 / 規制 / 金融危機 / バーゼルIII規制 / 自信過剰 / 行動ファイナンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、銀行のコーポレート・ガバナンスの観点から、銀行の資産ポートフォリオの特徴を解明する。銀行の経営者の様々な特徴が銀行のコーポレート・ガバナンスに影響を与えている。その中でも、本研究は銀行経営者の自信過剰を表す指標に着目する。リーマン・ショックなどの金融危機時に、預金が流出したり、流動性の枯渇が生じたりして、銀行の経営悪化が生じ、金融危機がさらに悪化したと言われる。これを教訓とし、近年、銀行に流動性比率の最低水準を定める規制が導入された。本研究では、銀行経営者の自信過剰度が銀行の流動資産比率に与えた影響を実証的手法によって明らかにし、銀行規制に関する政策的インプリケーションをえる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,銀行経営者の自信過剰が銀行の資産ポートフォリオ構成に与える影響を理論的・実証的に検証することである。バーゼルIII規制において,流動性カバレッジ比率規制・純安定調達比率規制等が導入される中,銀行が高品質の流動資産を保有することの重要性が強調されてきた。本研究では,米国銀行データを用いて,自信過剰な経営者によって経営されている銀行の流動性比率は低く,その資金調達コストは高くなるという結果をえ,自信過剰指標が金融危機時において流動性不足が生じる確率に正の影響を与えるという結果もえた。純安定調達比率規制・流動性カバレッジ比率規制などに関する重要な政策的インプリケーションをえた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バブルや金融危機は,一種の熱狂や非合理的な経済取引の結果として生じるのではないかという考え方がある。本研究では,自信に満ち溢れている銀行経営者は,通常の銀行経営者よりもアグレッシブな経営方針をたてて銀行を経営しているのではないかということを考えたものである。銀行は一定の流動性(現金や預金など)を保有しているが,これを多く保有しても銀行の収益にはつながらないものの,経営の安定性を高めることができる。本研究では,自信過剰な経営者がいる銀行は流動性を少なくもち,リスクの高い経営をする傾向があることを見出した。
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