研究課題/領域番号 |
21K01562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 高崎経済大学 (2022) 下関市立大学 (2021) |
研究代表者 |
森 祐司 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (00526428)
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研究分担者 |
永田 邦和 長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 教授 (00323915)
播磨谷 浩三 立命館大学, 経済学部, 教授 (90347732)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 金融機関 / コーポレートガバナンス / 持続可能性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、地域銀行のコーポレート・ガバナンス構造の変化について、近年注目される新しい視点から多面的に分析し、地域銀行の持続可能性のための課題を解明する 地域銀行のガバナンスの改革と効果について、政策保有株式とリスクテイク、頭取の交代、金融持株会社のガバナンスと経営評価、地域銀行のESGなど新しい視点から分析し、得られた知見を総合して地域銀行のガバナンスの全体像を理解する 地域銀行は環境変化に適応し、ビジネスモデルも柔軟に進化させることで地域経済と自行の持続可能性を高めることができる。ガバナンス改革はその第一歩である。以上のような展望の下、新しい視点から地域銀行のガバナンスを多面的に考察する
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研究実績の概要 |
今年度は、東洋経済新報社『CSR企業総覧(人材活用編・ESG編)』から地域銀行のCSRについての情報を収集し、研究主担当者の森はESGにおける「S(Social)」に注目し、人材活用編のデータから、各地域銀行のCSRを実行する動機について先行研究を参照しうつ分析した。研究成果は日本金融学会西日本部会で報告した。本研究の目的はコーポレートガバナンス研究分野の中でもESGの側面に注目した分析であり、それを進めていく上で、変容しつつある地銀のコーポレートガバナンスの一側面を分析・理解しておくことである。今年度はさらにこのESGの側面からの分析をさらに詳細かつ精緻に行う予定である。地域銀行のCSR活動はここ数年で大きく変化してきており、東証一部上場の区分変更を見据えての取締役会の機能の強化、経営中核人材における多様性(具体的には女性社外取締役の確保)へ向けた取り組みのほか、有価証券報告書におけるサステナビリティ情報開示の強化(気候変動影響の開示を含む)、女性活用や育児取得休暇の促進などワークライフバランスが少しずつ進められてきている。本分析ではそれらのCSR行動の動機について分析した。結果、地域銀行のCSR活動についての動機は、戦略的動機や利他的動機については支持されず、グリーンウォッシュ動機の可能性が示唆された。以上の分析結果を踏まえ、今年度はグルーンウォッシュ動機について仮説の設定と検証をさらに行い、また研究分担者が入力した環境編データによる分析をさらに行っていく。また、研究分担者による地域銀行の生産性から見た地銀持株会社や地銀の合併等再編のガバナンス分析を行う予定である。さらに、頭取(社長)の交代、会長の存在、相談役・顧問制度など内部ガバナンスの側面の分析のほか、政策保有株式の銀行経営リスクへの影響などについても考察していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始の初年度に新型コロナウイルス感染症拡大によって、当初予定したアルバイト学生を集めてのデータの収集整理ができず、データ整理に出遅れがありそれが今年度まで響いていた。また主たる研究担当者が所属組織を移ったため、研究作業を進めることができず、停滞することになった。
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今後の研究の推進方策 |
主たる研究担当者所属する組織が持つ学術データベースや統計データベースでは不足したり、より特殊なデータソースについては、今後購入することで、手作業を省きより精緻な分析作業を行うことで停滞していた分は十分に挽回できると考えている。研究を遂行する上での課題は、研究者間での認識の細かいズレがあったが、これまでのミーティングで調整し、相互理解を図ることで役割分担を確認することができたので、今年度からは停滞することなく研究を進め、研究報告まで達成することができると確信している。また、再度問題が生じてもオンライン会議を含めてきめ細かくミーティングをしていきながら、解決を図っていく。今年度中にも研究発表後には論文執筆・投稿作業を行い、今年度中の海外雑誌投稿を予定して進めていく。
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