研究課題/領域番号 |
21K01568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 二松學舍大學 |
研究代表者 |
戸辺 玲子 二松學舍大學, 国際政治経済学部, 講師 (90647281)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 国債流通市場 / レポ取引 / 流動性 / 国債補完供給 / 国債追加発行 / 国債発行市場 / 追加供給 |
研究開始時の研究の概要 |
財務省が実施する国債の追加供給がもたらすマーケットへの影響を多面的に検証する。日本銀行の大規模資産買入れによる市場流動性低下の対策として、既発債の追加発行が増額されてきた。投資家の需要の高い新発債だけでなく、流動性の低下した既発債を追加発行することは、価格や市場流動性に大きな影響を与えることが予想される。本研究で使用する国債レポ取引の日中データは、注文から約定に至るまでの投資家行動を詳細に把握することが可能である。危機下において市場機能不全を回避するにはどのような施策が有効なのか、その方法について有益な示唆を与えたい。
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研究実績の概要 |
2023年度は、国債流通市場の流動性について、日本銀行(日銀)の政策に注目しながら、理論・実証の両面から研究を進めた。日銀は、量的質的金融緩和政策を継続的に実施しており、このため国債市場の流動性は2013年以降低下した。しかし、一方で日銀は保有している国債の貸出制度を設けることで、流動性の向上もおこなっている。この2つの政策の相互の関係性について明らかにするため、日銀を、国債市場における貸し手としてsearch-theoretic modelに導入し、その影響を理論面から考察した。さらに、実際のレポ市場のデータを用い、日銀の政策がレポ市場の取引行動にどのような影響を与えたのか、示した。 これらの研究は、European Financial Management Association 2023 Annual Conference(2023年6月)と日本金融学会2023年度秋季大会(2023年9月)にて報告した。また、"Central Bank Asset Purchases and Lending: Impact on Search Frictions"とのタイトルで、Journal of Financial Intermediationに掲載されることが決まっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、国債レポ市場の流動性に関する研究成果をまとめることに注力することで、論文としてまとめることができたが、一方で、財務省の補完供給に関する研究には手がまわらなかった。
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今後の研究の推進方策 |
財務省の追加供給と国債市場の流動性の関係性について、理論と実証の両面から研究を進める。新型コロナ・パンデミックが与えた国債市場への影響については、国債フェイル件数の増加した2020年上半期に特に注目して分析をおこなう。特に、財務省の追加供給や日銀の国債補完供給が市場の混乱を抑える力をもつのか、現物国債の価格やレポ貸借料を分析することで明らかにしたい。
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