研究課題/領域番号 |
21K01597
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
橋本 規之 信州大学, 学術研究院社会科学系, 准教授 (70401198)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 石油化学 / 機能性化学 / 産業政策 / 産業調整 / 事業構造の転換 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,1990年代以降の日本の化学産業と産業政策を対象に,業界再編と企業の事業構造の転換の実態と論理を明らかにすることを目的とする。具体的には次の三つの課題に取組む。 第一に,コア技術を軸とした多角化の視点から企業の事業構造の変化の特徴を分析する。 第二に,産業全体で生産能力を調整する際にどのような問題解決が図られたのか。リーダーシップを発揮した企業の経営行動と,側面支援した産業政策を中心に評価する。 第三に,産業政策が,機能性化学の育成にどのような形でどの程度寄与したのかを考察する。 このような未解明の課題に取組むことで,過剰設備の処理や事業構造の転換の問題についての実証的研究を深めたい。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,1990年代以降の日本の化学産業と産業政策を対象にして,業界再編と企業の事業構造の転換の実態と論理を明らかにすることである。具体的には次の三つの課題に取り組む。第一に,コア技術を軸とした多角化の視点から企業の事業構造の変化の特徴を分析する。第二に,産業全体で生産能力を調整する際にどのような問題解決が図られたのか。リーダーシップを発揮した企業の経営行動と,側面支援した産業政策を中心に評価する。 第三に,産業政策が,機能性化学の育成にどのような形でどの程度寄与したのかを考察する。 2023年度は,第一の課題と第二の課題について,研究を実施した。 第一の課題(コア技術を軸とした企業の事業構造の転換の実態とメカニズムの分析)については,経営戦略論の事業多角化に関する研究蓄積と,近年の産業組織論の知見とを融合させる形で,理論的分析の枠組みを再検討した。また,企業のウェブサイト,業界雑誌,業界新聞,業界年鑑,社史等から情報を収集して,分析に必要なデータベースの構築を進めた。 第二の課題(産業調整における企業のリーダーシップと側面支援した産業政策の検討)については,1990年代後半の事業統合会社による業界再編の分析を進める過程で,その前史である共同販売会社制度の位置づけを明確にする必要性を認識した。従来のポリオレフィン樹脂業界だけでなく,新たに塩化ビニル樹脂業界を対象に含め,各共販体制の形成,機能,経済成果について検討し,公刊した紀要論文で次の点を明らかにした。共販体制は,販売と流通の合理化目標を達成し,環境の激変期を除いて製品価格の下方変動を抑制する機能も果たした。他方で,企業数や設備投資の集約は不十分であった。なお,事業統合会社による業界再編を扱った論文も完成に近づいており,学会誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,職場と研究室の移転(長野市から松本市)による環境変化のため,研究に当てる時間の確保が難しくなり,また予定していた現地調査も実施できず,その分だけ進捗状況に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
これまで実施できなかった現地の資料調査やヒアリング調査を行い,進捗状況の遅れを取り戻す必要がある。 個別の課題では,第三の課題(機能性化学分野における産業政策の役割)に取り組む。そして,第一の課題と第二の課題の補完と,全体の総括を行う予定である。
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