研究課題/領域番号 |
21K01600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
三浦 壮 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (60432952)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 産業インフラ / 鉄道 / 港湾設備 / 海運 / 製造業 / 企業金融 / 地域経済圏 / 産炭地 / 企業間関係 / 経営資源 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,旧産炭地で作成された史資料から,地方(地域)経済内部および企業間で取引された諸要素(情報,原材料,技術,産業インフラ)の絡み合いを抽出し,産業横断的に地方企業を分析することで,①企業間取引,②相乗的・自律的発展の経路を業種別で析出する。 この作業によって,事業ネットワークの重なり合いの上に成立する地方(地域)経済圏の成立メカニズムを歴史から分析する際の方法論・基準点の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
産業インフラとその関連企業についてデータ整理,分析作業を行った。宇部鉄道,宇部電気鉄道,宇部港について検討を行い,地方経済圏における企業間関係を物流の側面から明らかにする作業に取り組んだ。 鉄道に関しては,坑木,石炭など地域企業の経営活動に関わる物流手段の確保がされたことで,坑木卸商などの勃興を促すとともに,企業間関係の相乗的発展につながったことがわかった。鉄道経営についても数値面から明らかにし,地域経済圏の形成によって収入が伸張し,さらに内陸部の石炭輸送においても独占的なポジションを維持したことによって,地域経済圏から生じる利潤の獲得→利潤の地域内への蓄積→設備投資という付加価値の循環が生じていたことがわかった。 鉄道に主要な接続先である港湾設備については,一次資料の閲覧・複写に努め,データの整理を行った。地元新聞を慎重に読解し,関連記事をピックアップし,企業および地方自治体・政治組織による港湾整備のプロセスについて論文にまとめた。港湾整備が行われることによって地方企業の商取引の障壁が取り除かれ,商材の需要地への移出,地方企業の原材料移入のほか,鉄道経営にも相乗的な効果を及ぼしたことがわかった。 史資料および資料情報については同一の産業構造を持つ地域についても関心を広げ,現在研究している地域の分析の客観性を高めるよう努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
公私の事情により,科研費課題以外に対して費やす時間が増え,心身に余裕がなかった。ポジティブ要因では,多くの資料を集め,細かく整理・検討した。最終年度は初めてバイアウト制度を活用する。
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今後の研究の推進方策 |
資料調査を継続しながら,地方企業の分析を継続する。ここ数か月は同じような産業構造を持っている地域との比較に時間を費やしているが,どこまでこだわりを持つべきかは夏休み前までに判断したい。
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