研究課題/領域番号 |
21K01603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
橋口 勝利 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (00454596)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 産業革命 / M&A / 産業組織 / 企業組織 / 中小企業 / 工業化 / 財界 / 企業合併 / 地方名望家 / 経済史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の主題は、「中京圏の都市形成と繊維産業の工業化」である。日本の近代化のなかで、「産業都市・名古屋」がどうやって生み出されたのかを、繊維産業と自動車産業をも含めて解明することを目指す。日本の近代化の中で中京圏には、松坂屋を起こした伊藤系グループ、繊維部門を家業とする瀧系グループ、そして新興勢力でインフラ系事業に活躍した奥田正香系グループの3つのグループが形成された。そこに、豊田家や服部商店が台頭することで、新たな中京財界が形成された。本研究は、近代名古屋の財界勢力の変動を意識しつつ、綿糸布商人・服部商店を中心に中京圏の形成を論じていく。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、近代の中京地域の工業化を、人的ネットワーク形成の観点から明らかにすることである。近代日本のリーディング産業であった綿紡績業は、企業買収や合併を繰り返しつつ急速な成長を遂げた。奥田正香などの企業家たちが中京財界を形成し、三重紡績株式会社をはじめとして有力企業がいくつも生まれた。この後、中京圏は、綿業を中心に、近代日本の製造業の拠点へと成長していった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、製造業で存在感を高めている中京圏の歴史的形成過程を明らかにしたことである。中京圏は、産業革命期に主として繊維産業が急速な成長を遂げることで、大企業と中小企業が複層的に展開する工業地帯となった。加えて紡績業は、歴史的にも先駆的にM&Aを実施しながら成長を遂げてきた。この合併交渉の中でも合併企業と被合併系企業の利害も反映されていた。つまり、本研究は、M&Aの歴史的起源を解明するうえでも極めて大きな意義を有しているのである。
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