研究課題/領域番号 |
21K01604
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
|
研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
渡邉 恵一 駒澤大学, 経済学部, 教授 (00267387)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 吉野林業 / 木材市場 / 木材流通 / 鉄道 / 筏 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近代日本における木材の市場と輸送選択について、その実態を明らかにし、考察することを課題とする。 木材の輸送は、林業において生産過程の最も重要な部分である一方、原木(丸太)、挽材(角材)、樽・桶などの形状ごとに多種多様であり、輸送手段の適性や運賃負担力も一様ではない。輸送問題への取組みを不可欠とする林業・木材生産のあり方と、木材という商品の多様性の双方を見据えつつ、近代日本における木材の市場とその輸送実態について、先進的林業地帯であった奈良県吉野郡の吉野材を事例に、実証的かつ日本の林業・木材業の現状とも対話可能な解明を試みたい。
|
研究実績の概要 |
本研究は、近代日本における木材の市場と輸送選択について、その実態を明らかにし、考察することを課題とする。木材の輸送は、林業において生産過程の最も重要な部分である一方、「木材」そのものが原木(丸太)、挽材(角材)、樽・桶などの形状ごとに多種多様であり、輸送手段の適性や運賃負担力も一様ではなかった。本研究の目標は、輸送問題への取組みを不可欠とする林業・木材生産のあり方と、木材という商品の多様性の双方を見据えつつ、近代日本における木材の市場とその輸送実態について、先進的林業地帯であった奈良県吉野郡の吉野材を事例に、マクロなデータでは得ることのできない史実とその論理を一次史料に基づいた実証的成果として学界に提示することにある。 令和5年度は、本研究課題の中核的史料を所蔵する奈良県立図書情報館のほか、昨年度に続き、奈良県吉野郡在住の個人宅が所蔵する史料の調査ならびに収集を行った。さらに、他大学の研究者の協力を得ながら、奈良県橿原市、奈良県五條市在住の個人宅が所蔵する史料に接することもかなった。いずれも膨大な量の未整理史料であるため、数日間の調査では到底その全貌を把握するには至らなかったが、本研究のテーマが今後もさらに展開し得る可能性を確認できる機会となった。 研究成果としては、口頭発表として鉄道史学会例会(東京経済大学)にて「近代の吉野林業における運材と鉄道」を、学術論文として渡邉恵一「鉄道開通前後における吉野林業の市場と運材」(中西聡編『近代吉野林業と地域社会』日本経済評論社)を刊行するなど、比較的順調な進捗をみることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの感染拡大が一段落し、史料調査のための出張が比較的自由な形で可能となったこと、過年度における史料の収集と検討作業が進み、本研究の方向性が明確になったことが大きい。
|
今後の研究の推進方策 |
過年度に調査・収集した史料には、分析作業を終えていないものが少なくないため、引き続き取り組んでいく必要がある。また、令和5年度に新たに接した膨大な未整理史料群については、他大学の研究者とも協力しながら、その整理・目録化を進め、本研究課題の成果として取り込んでいく可能性を探りたい。
|