研究課題/領域番号 |
21K01606
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
平野 創 成城大学, 経済学部, 教授 (30508601)
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研究分担者 |
平野 琢 九州大学, 経済学研究院, 講師 (80780189)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 経営史 / 産業史 / 事業転換 / エネルギー産業 / 化学産業 / エネルギー革命 / カーボンニュートラル / コンビナート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は複数の企業を対象とした経営史研究を用いて、根源的な経営環境の変化に対して、「なぜ特定の企業は事業転換を通じてそれを克服することができ」、「一方で(豊富な経営資源を抱え、優秀な学卒者によって運営されていたとしても)一部の企業はそれに対応することができず、存続することが困難になるのか」、各社の「事業転換」への試みに着目して解き明かすことを目的としている。具体的な研究対象は、エネルギー産業(石炭、石油)と化学産業である。また、事業転換に成功しつつも経営成果が分かれた化学企業の比較研究(住友化学と日産化学)、現在まさにこうした経営環境の変化に直面している石油企業の事例(ENEOS)も取り扱う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,複数の企業を対象とした経営史研究を用いて,根源的な経営環境の変化に対して,「なぜ特定の企業は事業転換を通じてそれを克服することができ」,「一方で(豊富な経営資源を抱え、優秀な学卒者によって運営されていたとしても)一部の企業はそれに対応することができず,存続することが困難になるのか」,各社の「事業転換」への試みに着目して解き明かすことである.そこには事業転換を妨げる合理的な理由が存在するはずである.具体的な研究対象は,エネルギー産業(石炭,石油)と化学産業である.例えば,石炭産業では筑豊の大炭鉱であった貝島炭鉱は事業転換を成しえず消滅したのに対し,宇部興産は「有限の鉱業から無限の工業へ」を理念とし,現在は大手化学企業となった.また,基礎化学から機能性化学への事業転換に成功しつつも経営成果が分かれた化学企業の比較研究(住友化学と日産化学),現在まさにこうした経営環境の変化に直面している石油企業の事例(ENEOS)も取り扱う. 本年度は石炭産業についてのヒアリングと文献調査を進めた.事例の一つである貝島炭鉱について資料を収集するとともに,関係者へのヒアリングを実施した.特に,貝島炭鉱の意思決定主体である貝島合名会社,貝島一族会に関する一次資料の収集が大きく進展した.同時に,それらの事例を参照しつつ,現在の化石エネルギーから脱炭素エネルギーへの転換についても考察し,これらの一部を取りまとめ研究成果を公表した.本年度は共著書1冊,単著論文1本,共著論文1本,学会発表3回と多数の研究成果が得られた.さらに,研究成果の一部を反映する形での報告を「大分コンビナート企業協議会」や「水島コンビナート活性化検討会水島コンビナートカーボンニュートラル研究会」など地方自治体が主催する会合において実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題については,研究成果も複数公表するに至り,おおむね順調に推移している.また,途中成果を重化学工業の集積地の地方自治体などが運営する協議会等で報告するなど社会的発信にも努めた.資料の収集やヒアリング等にも取り組んでおり,研究は順調に推移している.特に貝島炭鉱に関する資料収集が大きく進展した.
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今後の研究の推進方策 |
研究成果の公表(書籍,学会誌・学内誌等の学術雑誌への投稿)を目指して,史料収集,ヒアリング,現地調査を進行させる.文献調査に関しては,貝島炭鉱に限らず石炭企業の社史等を収集することを目指している.貝島炭鉱に関しては,福岡県内や筑豊地域の資料館などに収蔵される1次資料の収集を進めるとともに,関係者へのヒアリングも実施することを考えている.また,大きな経営環境の変化に直面している石油企業やそれらが立地するコンビナート地域における現地調査なども実施することでカーボンニュートラル化へ向けた変革についても注目していきたい.
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