研究課題/領域番号 |
21K01626
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中丸 麻由子 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (70324332)
|
研究分担者 |
辻本 将晴 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (60376499)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 進化ゲーム理論 / プラットフォーム / エージェントベースモデル / 共有地の悲劇 / 嘘 / 多属性意思決定 / エージェントベースシミュレーション / 嘘の評判 / P2P |
研究開始時の研究の概要 |
マッチング型プラットホーム(PF)を介したP2P取引では、PF上のレーティングやコメント等が利用者や提供者の評価になる。良い評判の提供者や利用者が多いPFほど存続しやすい。一方、評価やコメントへの未入力や嘘の入力のためにPFの信頼性が失われPFの「共有地の悲劇」が起こる可能性がある。進化ゲーム理論やエージェントベースモデルをもとにして、嘘の評価や評価未入力からPFの共有地の悲劇を防ぐためのルールやシステムを探るとともに、PF運営組織への聞き取り調査を実施する。
|
研究実績の概要 |
プラットフォーム(PF)を介したP2P取引と嘘の情報に関するエージェントベースモデルを構築することが主眼である。R4年度はR3年度に引き続き基礎固めのエージェ ントベースモデルの追加シミュレーションを行った。つまり、プラットフォームが存在しない状況において、人々のネットワーク構造が嘘の噂の広がりと協力の進化にどのように影響 を与えるのかについてのエージェントベースシミュレーションを行なった。社会ネットワーク としては、ランダムネットワーク、格子モデル、スケールフリーネットワークである。結果を整理している。 ネットワーク上の相互作用において、ネットワークを繋いだり切ったりすることはPFを介したP2P取引でも生じている。これについてもR3年度に引き続きR4年度も人々の社会的ネットワークにおけるリンクの切り貼りと協力の進化に関するエージェントベースシミュレーションを行なっている。共同研究者のいる台湾中央研究院にも訪問し意見交換も行なった。 これについては共同研究者を中心にして人を被験者とする実験も行い、実験結果をシミュレーションが説明できていることもわかっている。 PF上で商品などを取引する際に人々は商品のさまざまな属性を見て商品を選ぶ。属性としては値段、品質、見た目などさまざまあり、これを多属性という。人に よって着目する属性も異なるし、選ぶときの判断基準も異なる。R3年度に引き続き、集団で多属性意思決定行う際についてのシミュレーション 研究や数理モデル研究を行ない、論文を執筆できる程度の結果もほぼ揃った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究がやや遅れており、R4中に行う予定であった論文投稿準備が進んでいない。社会ネットワークとして格子モデルを用いて、嘘の噂があるときの協力の進化に関するエージェントベースモデルについては結果を再検討していたりデータを取り直している。令和5年度中には論文を執筆して投稿したい。スケールフリーネットワークについてはR5年中にはデータが揃う予定である。
ネットワークの切り貼りのシミュレーションについてはシミュレーションのデータ整理や追加データを取り、結果の吟味をしている最中である。ネットワークの切り貼りの被験者実験については共同研究者が中心となって論文投稿中である。
集団での多属性意思決定については結果が出揃っており、論文執筆が可能になっているがR4年度は時間が取れずに論文化ができなかった。R5年度に論文を投稿したい。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、スケールフリーネットワークでのエージェントベースシミュレーションを行い、成果をまとめ、論文を執筆する。 ネットワークの切り貼りに関するシミュレーションについても論文化を進める予定である。 集団における多属性意思決定についても論文化を進める。 それらが順調に論文化できればR5年度中には、プラットフォームを介したP2P取引における相互作用を組み入れたモデルを構築する予定である。
|