研究課題/領域番号 |
21K01643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
古田 克利 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 准教授 (20612914)
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研究分担者 |
今井 裕紀 新潟国際情報大学, 経営情報学部, 講師 (20866529)
大竹 恵子 京都先端科学大学, 経済経営学部, 講師 (70880201)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 向社会的動機 / 向社会的価値 / ワーク・エンゲイジメント / 仕事の要求度 / プロフェッショナル / キャリア / キャリアトランジション / ストレス / メンタルヘルス / 健康経営 / 仕事の意味 / 働きがい |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、組織で働くプロフェッショナルの働きがいの構造と形成メカニズムを明らかにすることを通して、彼・彼女らの働きがいを高めるマネジメントのあり方を検討することである。本研究では、プロフェッションを「何らかの抽象的知識を具体的なケースに適応する専門的職業」と定義し、具体的な分析対象として「技術系プロフェッショナル」(ソフトウェア技術者、ハードウェア技術者、ヒューマンサービス系プロフェッショナル)と「事務系プロフェッショナル」(営業職、経理・企画等の経営スタッフ、マネジャー職)を取り上げる。各プロフェッショナルの働きがいが、環境や行動とどのように絡み合っているか、その状況を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は、2022年1月に実施した調査で得た3,221件のデータを分析した。分析の目的は、ヒューマンサービス系プロフェッショナル(看護師,理学療法士,介護士)の向社会的価値とワーク・エンゲイジメントの関係を明らかにし,両者の関係に対する職務要求の調整効果を検討することである。 近年,組織行動研究において向社会的モチベーション(prosocial motivation)への関心が高まっている。向社会的モチベーションは,向社会的行動すなわち他者に恩恵をもたらす行為に対する動機のことであり,それは全体的,文脈的,状況的水準の3つに分類される。向社会的モチベーションが従業員のパフォーマンスにポジティブな影響を与えることが明らかにされているものの,既存の尺度では向社会的モチベーションの志向性を弁別しにくいなどの課題も残されている。また,我が国の労働者を対象にした研究は限られており,職種の特性に考慮した検討も不足している。 そこで,全体的かつ文脈的な向社会的モチベーションを仕事の向社会的価値(以後,向社会的価値)として操作的に定義したうえで,一般的に向社会的であることが求められる代表的な職種としてヒューマンサービス系プロフェッショナル(看護師,理学療法士,介護士)を取り上げ,向社会的価値とワーク・エンゲイジメントの関係を明らかにした。具体的には、看護師,理学療法士,介護士の向社会的価値とワーク・エンゲイジメントの関係と,両者の関係に対する職務要求の調整効果を検討した。分析の結果,向社会的価値とワーク・エンゲイジメントの間に正の関連を確認し,両者の関係に対して、職務要求が調整効果を持つことを確認した。この結果は,JD-Rモデルにおける個人資源の価値次元への拡張可能性を示唆するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の進捗状況は以下の通りである。 (1)2021年度に回収したデータを用いて、看護師,理学療法士,介護士の向社会的価値とワーク・エンゲイジメントの関係と,両者の関係に対する職務要求の調整効果を検証した。検証結果を、産業・組織心理学会第37回大会において発表した(口頭発表)。 (2)同データを用いて、上司のソーシャル・サポートが抑うつに与える影響について、看護師,理学療法士,介護士およびソーシャル・サポートの種類の視点から分析した。分析結果を、経営行動科学学会第25回年次大会において発表した(口頭発表)。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に実施したアンケート調査のデータを継続的に分析し、分析結果を国内学会で発表する。また、発表した内容を論文として取りまとめ、国内学会誌への投稿を目指す。
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