研究課題/領域番号 |
21K01658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
柴 直樹 日本大学, 生産工学部, 教授 (50226164)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 非協力ゲーム / マルチエージェントシミュレーション / イノベーション / 転売行為 / ベーシックインカム制度 / 展開系ゲーム / マルチプレイゲーム / 展開形ゲーム / 非協力ゲーム理論 / 代数系 / 戦略的意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、非協力ゲームの代数的操作に関する性質と、その経営問題への応用可能性を探求することを目的とする。非協力ゲームは、経営上の戦略的意思決定のモデルとして広く利用される。意思決定者が複数の意思決定問題を同時に扱う状況は多く発生し、これは複数のゲームを同時にプレイする状況と見ることができる。この際、複数のゲームの合成を演算とみなすことにより、この状況を代数的に取り扱うことが可能である。ゲーム間の関係によって、何種類かの合成演算を考えることができる。複数の意思決定問題からなる状況を代数系としてとらえることで意思決定の操作性が向上し、効果的な意思決定支援につながる。
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研究成果の概要 |
非協力ゲームをベースとしたモデルをいくつかの経営・経済問題へ応用し、いくつかの知見が得られた。具体的には1)組織におけるイノベーションを取りあげ、組織内のメンバーが持つ既存知識と新知識への指向性のバランスが、イノベーションの出現に影響を与えることを明らかにした。2)個人による希少財の転売行為を非協力展開形ゲームとしてモデル化し、生産者と転売者との間の情報の透明性や不確実性の有無によって、均衡の存在に違いが出ることを明らかにした。3)労働者のもつ労働の価値観の多様性を許容しつつ、しかも適切な運用によりベーシックインカム制度が存続可能であり、社会全体での付加価値も大きく損なわれない可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
経営情報学分野での非協力ゲーム理論およびマルチエージェント(MA)シミュレーションに関連する応用について情報を収集し、非協力ゲームとしてのエージェント間の相互作用をベースとしたMAモデルの作成を試みた。MAシミュレーションへの応用は、非協力ゲームがエージェント間で多数プレイされる状況をモデル化するため、本研究テーマである「非協力ゲームの合成」が持つ特性を活かせる応用例と考えられる。その結果、「研究成果の概要」欄で述べた通り、非協力ゲームの合成を演算としてもつ代数系として経営問題を捉えることによるモデル化の可能性が示された。
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