研究課題/領域番号 |
21K01677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 関西学院大学 (2023) 宮城大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
石田 祐 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (20455554)
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研究分担者 |
岡田 彩 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (30707360)
中嶋 貴子 大阪商業大学, 公共学部, 准教授 (90802736)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | NPO / 災害サイクル / 持続性 / 収益構造 / 人材育成 / ガバナンス / 理事会 / 助成金 / 震災復興 / 東日本大震災 / 災害 / マネジメント / ボランティア / 政策起業 / 非営利組織 / 持続的経営 / サードセクター |
研究開始時の研究の概要 |
非営利組織 (NPO) は、「災害サイクル」の中で、外部からの資源投資などの影響を受けながら、復興・被災者支援からの撤退、途中参入、あるいは役割の変更などの意思決定を行う。また、平時に地域が有する問題が災害により顕在化したものが多く、それゆえに長期的な対策が必要とされる。 本研究が着眼するのは、災害を契機とする地域課題の解決に資する長期的活動をNPOはいかに持続させることが可能となるかという点である。 そこで本研究では、①NPOが活動資金をどのように得ていたかを財務書類から量的に把握するとともに、②持続的な活動を支えている要因を財務・統計データおよびインタビュー調査データを用いて実証的に解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、災害発生後、復旧時、復興時、そして平時かつ次の災害までの準備期という災害サイクルの時間軸の中で、NPOがいかに持続可能な経営をなしえるかをリサーチクエッションとし、その要因を実証的に解明することを目的とした。その目的を達成するために、量的データの構築を行うとともに、NPOの実務者に対するインタビュー調査を実施し、質的データの収集を行った。それらのデータを用いて、計量分析モデルによる分析を行った。 本研究では特に、カネ、ヒト、ガバナンスという組織内で重大かつ直接的に影響を及ぼしうる要素に注目して、NPOの持続性を分析することにした。カネについては、NPO法人の活動報告書と活動計算書をもとに、会費、寄付、助成金・補助金、事業収益などの経常収益、正味財産などの資産、そして事業費と管理費から経常支出をデータ化し、財務面での持続性を検証した。 ヒトとガバナンスについては、NPOの実務者へのインタビュー調査データを用いて、災害復興に従事した団体が活動を継続する中でどのような人材が継続して活動を行っているか、また、平時モードに移行する中で入職する人材をどのように育成することによって、緊急期から活動する人材とのビジョンやミッションの調整を行うのかなど、持続可能な組織にするためのトリガーを明らかにするための分析を行った。 本研究では、持続可能なNPOの要因を解明するための分析を行ったものの、依然として長期と言えるほどの期間を経た団体を対象としているわけではない。災害から10年ほどの取り組みが20年や30年後に向けてどのような影響を与えうるかについては継続的な分析が必要である。また、解散している団体との相違点を、財務面、人材面、ガバナンス面からアプローチし解明することによって、持続可能な非営利組織に関する理論構築と実践に寄与することができると考えられる。
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