研究課題/領域番号 |
21K01683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
篠崎 香織 実践女子大学, 人間社会学部, 教授 (50362017)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | クローズド・モジュラー / インテグラル / 組織能力 / ルーティン / アパレル / アナログ技術 / 顧客価値の創造 / メーカーのサービス化 / 製品アーキテクチャ / モジュラー型 / インテグラル型 / 部署間連携 / 製品全体の知識 / M&A / 資源マネジメント / 研究開発 |
研究開始時の研究の概要 |
M&Aが企業にもたらす意味を明らかにするために、M&A実施企業の研究開発活動に注目し、①被M&A主体から獲得した資源、②資源の活用法、③資源活用の際に必要であった組織能力、④再編後の組織の中で形成されたルーティンを捉える。その際、資源の中でも技術については、製品アーキテクチャの枠組みを用い、特に、「クローズド・モジュラー」に注目する。 M&Aから利益を生みだすには、M&A実施企業と被M&A主体の保有する資源の近接性が必要であることは多数の研究から明らかにされている。しかし、その測度についてはあまり注目されていない。そのため本研究では資源の近接性がどのように説明できるかにも取り組む。
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研究実績の概要 |
市場における製品アーキテクチャの位置取りは、企業の競争優位に結びつくことがあるが、製品アーキテクチャの位置取りを変える際は、その製品アーキテクチャに適合的な組織体制を整える必要がある。M&Aの実施は組織の再編を伴うため、M&AはM&A実施企業の製品アーキテクチャの位置取りに影響を及ぼすのだろうか。これが本研究において解き明かしたい課題の一つである。また、価格競争に陥りやすいモジュラー型と、コストのかかるインテグラル型の中間に位置するクローズド・モジュラー型の製品アーキテクチャの実現にはどのような組織能力が必要か、これが二つ目の課題である。 組織能力は多様な能力を包含する概念であるため、本研究では、知識の移転・再結合・創造を可能にする相互作用のパターンである、「知識共有ルーティン (Grant, 1996)」を分析の枠組みとする。そして、企業内における知識共有の習慣的な手順と非固定的な実態を捉えることに注力する。 これまで高付加価値モニターを主力製品とする企業の分析を通して、複数の買収を経て「クローズド・モジュラー型」に該当する製品を増やしていることを明らかにした。当該年度は、モジュラー型からインテグラル型まで対象とする、製品によってグラデーションがあるアパレル関連企業を対象にした調査に向けた準備を行った。具体的には、①デザインを型紙にするパターン作成、②型紙をもとに行うサンプル製作、③サンプルに基づいて生産する段階について、服製作の製品アーキテクチャを捉える。そして、各段階でどのようなルーティンが発生しているのか、コストを抑える工夫も含めて明らかにする。クローズド・モジュラー型の製品アーキテクチャに関する理解を深めるために、モジュラー型やインテグラル型も対象に研究することは重要であると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
クローズド・モジュラー型に対する理解を深めるために、上記の特徴をもつアパレル関連企業も研究対象に加えた。 アパレル関連企業といっても数多存在するため、アプローチしやすく、集積のある千駄ヶ谷および神宮前にある製造・卸売業をまず対象にすることにした。企業データを整備することに時間を要したことも研究の進捗に影響している。
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今後の研究の推進方策 |
衣料品の製造・卸売業に該当する企業と生産を担当している工場を中心にインタビュー調査を行う。そして、単純な服の製作はモジュラー型なのか、そこでに競争優位はどのような点に見出すことができるのか、その際のルーティンはどのようなものかを捉える。逆にインテグラル型のコレクションブランドのような製品においては、モジュラー型とインテグラル型の組み合わせなのか、ほぼインテグラル型なのかを確認し、多数の企業が関わって製作されるプロセスにおける組織能力がどのようなものかを明らかにする。 インタビュー調査は受け手があって成立するため、協力が得られる企業を探しながら実施していく。ある程度インタビュー調査が進んだところで質問票調査の実施を検討する。
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