研究課題/領域番号 |
21K01750
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
太田 幸治 愛知大学, 経営学部, 教授 (40410542)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 製品コンセプトの理解 / 顧客資源介在型サービス / プロセス型サービス / 質的データ分析 / プロセス型製品・サービス / M-GTA / 消費者の自己知識 / 製品の自己関連性 / 製品コンセプト / 属性アプローチ / デザイン経営 / コンセプト不全 / 自己認識欲求の強さ / 消費プロセス / 製品の自己関連知識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の核心をなす問いは、「サービスのような購入時点に価値を予見しにくい製品を購入する際、どのような消費者が当該製品の消費時に享受する価値を予見できるのか?」である。 本研究では、消費者が製品やサービスではなく自分自身についてどれだけ考えているのか、すなわち消費者の自己認識欲求の高低が、消費時に享受する価値の購買時の予見に影響を与えることを購買行動研究のみならず、心理学および教育学の知見に基づき統計的に確証する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、プロセス型サービスの購買時における消費者のコンセプト理解に焦点を当てた研究を行ない、中間報告ではあるが、学会報告をした。報告タイトルは「顧客資源介在型サービスの初期購買プロセスに関する一考察-「遊び参加型」サービスの質的データ分析-」であった。かかる研究では質的データ分析法であるM-GTAを用いた。M-GTAの分析テーマを「明確な目的を有していない消費者が、努力しないと楽しめないサービスを初めて買うときのプロセスを明らかにする」とし、分析焦点者を「明確な目的を持っていないにも係わらず、努力しないと楽しめないサービスに長年参加している消費者」とした。この研究では、M-GTAを用い生成したカテゴリー、概念を用いて「遊び参加型」顧客資源介在型サービスの買い手の初期購買プロセスを明らかした。明らかにしたプロセスは、以下の通りである。 「遊び参加型」の顧客資源介在型サービスの買い手の初期の購買決定【打ち込むぞ!】は、買い手が、目の前にいるサービス主体/既存参加者から当該サービスの参加ための承認を得たことを当該サービス参加の自信とする【承認の取り込み】が規定する。かかる【承認の取り込み】は、買い手が、自分自身の根性とスキルを持て余していることを認識し、時間と資源を投入し続けられる楽しいことを求めている【「打ち込み欲望」創出】と、圧巻のプレイを披露する既存参加者/サービス主体を目の当たりにし、それまでに経験したことがないほど気分がよく感情が高ぶる【リアルヒーロー/ヒロインに狂喜乱舞】と関係している。また【「打ち込み欲望」創出】と【リアルヒーロー/ヒロインに狂喜乱舞】は、互いに影響してあっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に行なう予定であった消費者のプロセス型サービスの価値の予見を測定する概念、変数の作成が難航し、研究の進捗が大幅に遅れた。令和4年度から新たな研究アプローチと研究視座を設定できたため、その後は順調に研究が進んでいるが、初年度の大幅な遅れを取り戻すことができていないゆえ、研究は当初の予定よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に非構造化インタビューを7件行なった。そして、令和5年度にも非構造がインタビューを4件行ない分析も開始した。研究ではプロセス型サービスの消費者の参加を、実践する参加と、鑑賞する参加に分けて分析を行なっている。ただし、双方の分析ともに理論的飽和化の程度は十分ではない。ゆえに、今後も非構造化インタビューを継続していく。またこれまでの対極事例となりうるインフォーマントへのインタビューも行なう予定である。
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