研究課題/領域番号 |
21K01758
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
西尾 チヅル 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 副学長・教授 (80241769)
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研究分担者 |
石田 実 東洋大学, 経営学部, 准教授 (00754045)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ソーシャルマーケティング / 消費者行動 / サステナブル志向 / ライフスタイル / 尺度開発 / COVID 19 / Covid-19 / サステナブルマーケティング / SDGs / コーズリレーティッドマーケティング / エシカルマーケティング |
研究開始時の研究の概要 |
国連でSDGsが採択されて以来、環境や社会のサステナビリティを企図したマーケティン グが急務となっている。そこで本研究では、消費者のサステナブルな価値への志向性と行動実態に焦点をあて、サステナブルな価値構造とサステナブル行動のメカニズムを解明することを目的とする。具体的には、①消費者のサステナブルな価値の構成要素とその特徴、②サステナブル行動の規定要因、③コーズ型プロモーションの効果の解明の3つの課題について取り組み、企業のマーケティングへの具体的な展開方法と、サステナブルな社会形成に必要な体制について提示する。
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研究実績の概要 |
本研究は、消費者のサステナブルな価値への志向性と行動実態に焦点をあて、サステナブルな価値構造とサステナブル行動のメカニズムを解明することを目的とする。今年度は、大別すると次の2つの課題について研究した。 1つ目は西尾・石田モデル(2014)を用いて、消費者のサステナブルな行動(エコラベル商品と寄付型商品の選択、ボランティア活動)の規定要因がコロナ禍を経て変化したか否かについて、昨年度収集した調査データの分析結果を、コロナ前の同モデルによる分析結果と比較して、コロナ禍等の影響の有無を解析し論文としてまとめた(西尾2022)。また、カーボンフットプリント(CFP)を含めた商品の環境対応情報の効果についても解析し、学会で報告した。さらにこれらの成果を踏まえてサステナブル・マーケティングの展開方法を整理した(西尾 2023) 。 2つ目の研究課題として、サステナブルな意識や行動を醸成するメカニズムに関する研究を行った。発達心理学の観点から自己概念の形成に着目し、大切な人やモノを自己の一部として周囲との関係を築く相互協調的自己観が高い人は、自己概念を空間的・時間的に広げる特性を持ち易いことを実証した(石田・王, 2023) 。この成果を踏まえ、個人の自己概念の広がりは生活地域への愛着につながり、日常生活と結びついて深いレベルのエコロジー関与を形成し、環境保全型生活の実践に至るプロセスを実証的に明らかにした。分析結果より、行動に至るにはエコロジー関与の形成が不可欠であり、消費者にエコロジーに関する知識を伝え、またエコロジー行動を実践していると他者から認められる仕組み作りが重要であると確認できた。この知見は2023年5月の商業学会全国研究大会で石田・西尾連名で報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、今年度は消費者のサステナブル行動のメカニズムを、その背後にある価値、自己感、関与等の個人差要因とコロナ禍という状況要因の影響を多面的に分析し、明らかにすることができた。また、その成果を学会報告や研究論文の形で公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、消費者のサステナブルな価値構造と行動のメカニズムを解明し、それに基づいて企業のマーケティングの展開方法を具体的に提示することである。21年度、22年度の研究を通じて、サステナブルな価値構造とサステナブル行動の規定要因等については、個人差要因やCOVID 19といった状況要因の影響も含めて明らかにされつつある。ただ、これらの行動の経時的な変化を捉えることも本研究の目的でもあり、特徴でもあるので、次年度以降、継続的に調査、分析を進めている。それと共に、これらの成果に基づいて、サステナブルな行動を促進させるための企業のマーケティングの具体的な展開方法を示すことも、本研究で取り組むべき重要な課題である。22年度は商品の環境負荷をCFPラベルとして示すことの効果の研究にも着手したが、次年度以降は、情報提供方法の違いやその他のコミュニケーション方法も含めて多面的に効果を捉えたいと考えている。
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