研究課題/領域番号 |
21K01762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
中野 香織 駒澤大学, 経営学部, 教授 (20434269)
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研究分担者 |
五十嵐 正毅 大東文化大学, 経営学部, 教授 (40615358)
松本 大吾 千葉商科大学, サービス創造学部, 教授 (60434271)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 子ども / 広告 / YouTube / 動画 / キッズユーチューバー / インターネット広告 / 動画広告 / Embedded Advertising |
研究開始時の研究の概要 |
研究目的は、子どもに十分な配慮をしながら、「子ども」「親」「企業」の三者にとって最適なデジタル上のコミュニケーションのあり方を明確にすることである。 現在の子どもたちはインターネットに接する機会が多く、インターネット上には広告だと分かりにくい動画も増えている。題材は、コンテンツと広告が統合した形態をとるインターネット広告(埋め込み型広告:Embedded Advertising)とし、その代表例として「開封動画」(unboxing video)に着目する。 本研究では、①子どもは埋め込み型広告の情報処理をどのように行うのか、②親の関与による媒介効果がどのように影響を与えるのか、を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度も2022年度に引き続き、親の意識の解明に注力した。今年度は、2022年の分析結果から得られた知見をもとに、親の意識の違いについて掘り下げるため、親を対象とした調査の準備を行った。加えて、本研究の実務的意義を明確にするため、企業インタビューを行った。本研究が対象とするコンテンツ統合型広告は、これまでと同様おもちゃ開封動画である。 (1)親を対象とするデプスインタビューの準備 2022年調査の「子どもがおもちゃ開封動画を見ること」に関する自由記述回答の分析から、子どものYouTube視聴に肯定的な「積極派」と否定的な「仕方ない派」の意識の違いがわかった。しかし、当該調査ではおもちゃ開封動画を文章で説明しており、調査対象者による認識に差がある可能性がある。そのため、親に実際のおもちゃ紹介動画を視聴させることで、その反応を詳しく把握したいと考え、親を対象とするデプスインタビューの準備を行った。 リサーチ・クエスチョンは以下である。①おもちゃ開封動画(コンテンツ統合型広告)に対する「積極派」と「仕方ない派」の態度の違いと背景は何か、②(キッズ)YouTuberに対する「積極派」と「仕方ない派」の態度の違いと背景は何か。これらのRQを明らかにするため、親を対象としたデプスインタビューの準備を行った。定性調査の方法論や分析方法を検討し、インタビューフローの作成と事前調査の準備を進めた。 (2)企業インタビュー 子ども向け商品のメーカーで、YouTube動画を配信している企業2社へインタビューを実施した。本研究のインプリケーションには、企業にとっての最適なデジタル・コミュニケーションも含まれるためである。その結果、戦略上のYouTubeの位置づけ、インフルエンサーとしてのYouTuber起用の理由、YouTubeチャンネル運営上の留意点や課題、などを把握することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、2022年の分析結果から得られた知見をもとに、親の意識の違いについて掘り下げるため、親を対象とした調査の準備を行った。研究計画では親だけでなく、子どもを対象とした調査を実施予定であったが、これまでの研究成果から、親の意識をより把握する必要があると判断した。 2022年度の分析から、おもちゃ開封動画に対して、子どものYouTube視聴の「積極派」と「仕方ない派」の親の態度の違いがわかった。しかし、当該調査ではおもちゃ開封動画を文章で説明しており、調査対象者による認識に差がある可能性がある。さらに、おもちゃ開封動画には、企業がスポンサードする動画と、インフルエンサー(YouTuber)が自発的に商品を取り上げる動画がある。そこで、おもちゃ開封動画を親に実際に視聴させ、企業の関わり度合いも含めて、反応を詳しく見たいと考え、親を対象としたデプスインタビューを実施することにした。2023年度は、その準備として、先行研究のレビューを行い、定性調査の方法論や分析方法を検討し、インタビューフローなどの調査設計を行った。デプスインタビューの事前調査準備も行い、調査対象者にアポイントをとっている。調査会社にデプスインタビューの見積も依頼し、実査の検討を行った。 加えて、研究計画書にはなかったが、本研究の実務的意義を明確にするため、企業インタビューを行った。子ども向け商品のメーカーで、動画配信に積極的な企業2社へのインタビューを実施した。その結果、企業はターゲットに対してYouTubeをどう位置づけているのか、キッズYouTuberをなぜ起用しているのか、などを把握することができ、研究の実務的インプリケーションにつながる知見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、親に対するデプスインタビューと定量調査を実施予定である。そのデプスインタビューの事前調査を行うため、調査対象者にアポイントをとっている。さらに、調査会社にリクルーティングの見積を依頼し、打ち合わせも進めている。得られた成果は、日本広告学会にて発表予定である。
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