研究課題/領域番号 |
21K01767
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
新倉 貴士 法政大学, 経営学部, 教授 (20278774)
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研究分担者 |
西原 彰宏 亜細亜大学, 経営学部, 准教授 (10634272)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ロイヤルティ / エンゲージメント / コミュニケーション / 消費者情報処理 / プラットフォーム / 関係性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、マーケティングの中心概念である「関係性」に焦点を当て、企業と消費者との関係性について探求する。そこで、「購買行動に基づく経済的関係」としてのロイヤルティ概念、経済的関係ではない「推奨行動や参画行動に現れる非経済的関係」としてのエンゲージメント概念の両概念に着目する。 そして、「交換(取引)」を成立させる背景や文脈として関係性を捉え、そこに経済的関係であるロイヤルティ概念と非経済的関係であるエンゲージメント概念を想定し、消費者の反応モードと消費者の情報処理という視点を組み込み、ロイヤルティ概念とエンゲージメント概念を統合的に組み込んだ包括的モデルの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度の研究実績の概要は、以下の3点に整理することができる。 ①消費者行動とブランド戦略との関係を考察していくなかで、ロイヤルティとエンゲージメントがどのような位置づけとして議論されてきたかについて、既存研究レビューを行った。現在は、消費者のブランドに対する共鳴・共振となるレゾナンスを構成する下位次元として、ロイヤルティやエンゲージメントを位置づけるのが妥当であり、最高位にロイヤルティが位置づけられ、その下に愛着、コミュニティ、エンゲージメントという位置づけがなされている。 ②継続的に行ってきた部分的な企業ヒアリングに加え、ロイヤルティ次元とエンゲージメント次元をクロスさせて作成したマトリクスにしたがい、高ロイヤルティかつ高エンゲージメントのセルに該当すると考えられる企業2社へのヒアリングを行った。1社は電子機器メーカーであり、「ファン創りマーケティング」を唱えながら、ファンの情報収集意欲を刺激すべく、様々なマーケティング施策を試みていることが明らかになった。また市場拡大のために、ライフスタイルグッズへのブランド拡張を試みている状況もうかがえた。もう1社はエンターテイメント企業であり、物販とサービス提供を共に行っているが、その比率からロイヤルティよりもエンゲージメントを中心とした設計思想のもとで、モバイルアプリをはじめとしたオウンド・メディアによる顧客との接点やコミュニケーション、それらを支えるロイヤルティプログラムや顧客識別のためのシステム構築がなされていることが明らかになった。 ③4年目の具体的な研究の詳細を計画した点である。4年目は、ロイヤルティとエンゲージメントの形成プロセスとバランスを把握しながら定性調査と定量調査を実施し、両概念を統合する包括的モデルの完成を目指す予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、3年目に大規模な定量調査を行う予定であったが、急速なデジタル化によるマーケティング施策の進展など、本研究の計画時よりもかなり状況が異なってきていることが明らかになった。したがって、2023年度は最先端の企業による取り組みを正確に把握することを優先させ、企業ヒアリングを重ねてきたために予定よりもやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、先端企業の取り組みを考慮して、消費者への定性調査と定量調査を実施する予定である。そして、その結果を踏まえ、ロイヤルティとエンゲージメントの形成プロセスとバランスについて検討しながら、これらの概念を統合する包括的モデルの開発と検証を試みる予定である。
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