研究課題/領域番号 |
21K01772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
加藤 司 大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (50161104)
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研究分担者 |
二宮 麻里 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (40320270)
濱 満久 名古屋学院大学, 商学部, 教授 (10440653)
白 貞壬 流通科学大学, 商学部, 教授 (60400074)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 有機農産物 / 流通システム / 商業 / 商業理論 / 第一次産業 / 直接取引 / 産直EC / 市場的流通 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、SNSやインターネットを通じた生産者と消費者との直接取引の実態を分析し、流通・商業理論を再構築することにある。直接取引は、商品知識を共有するだけでなく、商品・サービスの価値の共有を促し、「売買を通じた新たなコミュニティ」を形成する。 研究対象は、第一次産業、特に地方の中小零細企業である。品種や業種を横断して分析を行い、質的調査による解釈的ケーススタディを採用する。それにより、地方の一次産品生産者が近年の直接取引の急増によりどのような課題に直面しているのか、消費者はどのような行動をとるようになってきているかを分析し、バランスのとれた地域発展に資するための流通理論の基礎研究とする。
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研究実績の概要 |
本年度も、月に一度のオンライン研究会と国内有機産地の研究調査を継続した。 とくに今年度の成果としては、これまでの有機産地での実態調査研究を整理するとともに、学会での発表を見据えて、本研究を既存研究の中で理論的に位置づける作業を行ったことである。具体的には、日本商業学会での報告1件、同関西部会での報告2件以外にも、各自でテーマに即した論文を発表している。 こうした中で浮かびあがってきたのは、欧米に比べて日本における有機農産物はなぜ普及しないのかという疑問である。当初手探り状態が続いた研究であったが、ようやくその方向が明確になりつつあるのが、今年度の成果と言えよう。 先の「欧米に比べて日本における有機農産物はなぜ普及しないのか?」というリサーチクエスチョンに対する回答としては、大きく有機農産物の生産者の数が増えないこと、欧米で普及を担っている大手スーパーの取扱いが増えないことである。「鶏が先か、卵が先か」という議論に似ているが、実は、両者をつなぐのは需要者である消費者の有機農産物に関する知識や理解が不十分であるという第三の仮説に辿り着いている。日本の有機農産物の市場は現在揺籃期にあり、確固とした市場が形成されていない。その市場形成のためには、生産者と消費者との相互理解を高め、いわばともに有機農産物の価値創造を行っていくことが必要であり、それを媒介する流通業者の役割について、実証的かつ理論的に研究を引き続き、最終報告につなげる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍のため、海外研究調査が実施することができなかったが、論文を発表するとともに2つの海外学会への報告を申請し、受理された。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、海外国際学会および国際シンポジウムでの研究報告を通じて、情報発信をし、海外研究者と交流することにより、共同研究の可能性を探りたいと考えている。 また、日本各地の有機農産物産地へのヒアリング調査については継続的して実施する。
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