研究課題/領域番号 |
21K01777
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
乙政 佐吉 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20379514)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | マネジメント・コントロール / テキストマイニング / 業績測定システム / 経営上層部理論 / 管理会計 / トップ・マネジメント・チーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、業績測定システムの設計・運用を媒介変数として取り上げた上で、トップ・マネジメント・チームの特性と企業業績との関係を検証する。本研究の学術的特色・独創性は、TMTの多様性と業績測定システムとの関係性の探求、設計局面および運用局面からの業績測定システムの考察、成果を得るためのメカニズムを含めた検証、方法論的トライアンギュレーションの実施、の4点にある。
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研究実績の概要 |
本研究は、わが国企業における近年の統治構造改革を踏まえて、「どのようなトップ・マネジメント・チームの下でどのように業績測定システムが設計・運用されれば効果を生み出すのか」について実証的に明らかにすることを目的としている。第3年度には、本研究の目的を達成するために採用されるテキストマイニングを用いた分析を研究活動の中心とした。 研究実績としてはまず、日本管理会計学会2023年次全国大会にて、「多様化するマネジメント・コントロールの現状整理と展望」についてスタディグループの最終報告を共同で行った。わが国マネジメント・コントロール研究の特徴を書誌学的分析を通じて明らかにしている。 次に、「国際学術会計雑誌との比較を通じたわが国マネジメント・コントロール研究が持つ特徴の抽出:論文内で用いられている用語(ユニグラム)に着目して」「日米欧のマネジメント・コントロール研究で用いられるコントロール概念:テキストマイニングによるバイグラムランキングの比較」「日米欧マネジメント・コントロール研究の異同点:研究方法やフレームワークを分析視角としたテキストマイニングによる提示」の3本を共著にて執筆した。 いずれの研究においても、近年の国内外のマネジメント・コントロール研究をシステマティックに取り上げた上で,テキストマイニングを通じて分析を行っている。発行エリアに応じて区分した北米雑誌、欧州雑誌、わが国雑誌を比較することによって、主に、順位の差があるとはいえ,上位30位のうち半数の用語は国際雑誌でもわが国雑誌でもみられること、北米雑誌では「クラン・コントロール」や「文化コントロール」のような「非公式コントロール」への関心が高いこと、欧州雑誌では採用される方法論に関わらず「コントロール・パッケージ」に関わるバイグラムがランク入りしていることを明らかにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、わが国企業における近年の統治構造改革を踏まえて、「どのようなトップ・マネジメント・チームの下でどのように業績測定システムが設計・運用されれば効果を生み出すのか」について実証的に明らかにすることを目的としている。 初年度には、先行研究のレビューを通じて理論的枠組みおよび仮設命題の精緻化を研究活動の中心とした。第2年度においては、先行研究のレビューを踏まえつつ、事例研究を本格的に実施している。事例研究を進めるにあたっては、次の3つの手順を踏んでいる。①業績測定システムを中心として、公表資料に基づいた対象企業の事例を記述する、②記述した事例から調査すべき質問項目を導き出す、③対象企業にインタビュー調査の依頼を行う、である。なお、事例研究の対象は、営利企業に止まらず、非営利組織(地方自治体)にも広げている。 第3年度は本来は研究の最終年度として位置づけていた。しかしながら、本研究の目的を達成するためにテキストマイニングを採用するものの、テキストマイニングに習熟するために実施した研究に予想以上の時間を費やすことになった。それゆえ、日米欧のマネジメント・コントロール研究の現状や特徴を明らかにすることに成功したとはいえ、本来の目的の達成には至っていない。 研究期間を1年延長した上で、先行研究のレビュー、および、事例研究を通じて導出した理論的枠組みや仮設命題に基づいて、有価証券報告書を主対象としてテキストマイニングを実施することによって本研究の目的を達成する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、「どのようなトップ・マネジメント・チームの下でどのように業績測定システムが設計・運用されれば効果を生み出すのか」について実証的に明らかにすることを目的として、研究目的を達成するために方法論的トライアンギュレーションの実施を計画している。具体的には、①先行研究の厳密なレビューに基づいた理論的枠組みをもとに、②事例研究を通じて仮説命題の精緻化を行うとともに、③大量サンプルによるサーベイ調査を通じて定量的研究を定点的に実施する。本研究を進めるにあたっては、①および②のプロセスを繰り返し実施することになる。 本年度終了時点において、①の先行研究のレビュー、および、②の事例研究は実施済みであるものの、③の定量的研究を実施する前に、さらに理論的枠組みおよび仮設命題の精緻化を図りながら、内的妥当性を高めていくことが肝要であると考えている。 したがって、次年度もまた、第一に、最新の研究成果を取り込むために継続的に先行研究のレビューを実施する。第二に、調査委対象企業の選定を継続しながら引き続いて事例研究を展開する。第三に、有価証券報告書のテキストマイニングから得られるデータ、および、その他のアーカイバルデータを用いて、導出した仮設命題を検証する。最後に、先行研究のレビュー、事例研究、定量的研究から得られた成果についてはそれぞれ、国内外での学会において報告するとともに、論文としてまとめ上げた上で学会誌に投稿を行うこととする。
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