研究課題/領域番号 |
21K01778
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
島田 佳憲 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (70733351)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 政治的つながり / レント・シーキング / 経営者予想 / 企業と政治の関わり / 財務報告 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,レント・シーキング活動としての企業の政治への関わりを取り扱う.とりわけ,企業と政治の関わりが財務報告の内容やその質に対して及ぼす影響や,投資家がどのように企業と政治の関わりを評価しているかを解明することを通じて,財務報告の透明性向上の観点から企業と政治の関わりにかかる情報開示の意義や役割を検討する.
|
研究実績の概要 |
企業はレント・シーキング活動の一環として政治的つながりを構築することがある.こうしたレント・シーキング活動により収益が増加したり費用が減少したりするのであれば,財務報告にレント・シーキング活動の効果が発露する.そうした効果を期待して経営者は業績予想に政治的つながりの影響を織り込む可能性もある.くわえて,投資家などの利害関係者も,こうした効果を踏まえて,企業価値評価を実践する場合,さまざまな点で経済的帰結を観察することができ得る.本研究課題は,どのように企業の政治的つながりが財務報告およびその経済的帰結に影響するかの一端を明らかにしようとするものである. 令和3年度には,レント・シーキング活動が企業情報開示(ディスクロージャー)に与える影響を解明するため,経営者業績予想値を分析対象の中心とした.令和4年度は,企業経営の実態への影響を明らかにするため,レント・シーキング活動と業績実績値との関係性を分析した.中央政府の政権交代を活用しつつ,差分の差分(difference-in-difference)アプローチによりレント_シーキング活動と売上高実績値との関連性を分析したところ,つぎのことが明らかになった.(1) 収益性が低い企業がレントを求めてレント・シーキング活動をおこなう傾向がある,(2) レント・シーキング活動の程度は売上高実績値とは無関係である,(3) レント・シーキング活動と企業価値のあいだには正の関連性が確認される.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の研究内容の一つである企業の政治的つながりが財務成績に及ぼす影響に関して一定の分析結果が蓄積されたため.
|
今後の研究の推進方策 |
企業の政治的つながりの財務報告に対する効果がどのような経済的帰結をもたらすかを明らかにするため,インプライド資本コストや株式リターンに対する影響を分析する.
|