研究課題/領域番号 |
21K01784
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
中村 正伸 香川大学, 地域マネジメント研究科, 教授 (70757723)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 業績管理システム / 製品開発プロジェクト / アジャイル / マネジメント・コントロール・パッケージ / 4つのコントロールレバー / 製品開発 / プロジェクト / 製品開発戦略 / インタラクション / アジリティ |
研究開始時の研究の概要 |
組織での製品開発におけるアジリティ向上のために、プロジェクト(以下PJ)をベースに、管理会計のシステムとして業績管理システムを明らかにする。製品開発では、中長期的な製品開発戦略に基づく個別の製品開発が求められる一方、環境変化に対応して、現場での柔軟かつ迅速、即ちアジリティの高い対応が求められるが、その為の業績管理とそのシステムの役割・中身は明確でない。そこで戦略レベルと現場レベル、現場レベルでのPJ間、加えてPJ内でのインタラクションに着目、組織として整合の取れた、アジリティの高い業務遂行に貢献する業績管理システムの要素とメカニズムを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
製品開発では、中長期的な製品開発戦略に基づく個別の製品開発が求められる一方、環境変化に対応し、現場での柔軟かつ迅速、即ちアジリティの高い対応が求められるが、その為の業績管理の役割は明確でない。そこで、1:戦略レベルと現場レベル、2:現場レベルのPJ間、加えて、3:PJ内での、各インタラクションに着目、組織全体として整合の取れた、アジリティの高い業務遂行に貢献する業績管理システムの要素とメカニズムを明らかにすることが本研究の目的である。
2021年度では、従来からPJマネジメントで活用されてきた計画駆動型のウォーターフォール(以下WF)か、比較的新しい環境適応型のアジャイル(以下AG)かを、PJの特性に合わせて選択し、双方に対応していくために、組織は双方向型のマネジメントと診断型のマネジメントを併用する必要があることが明らかとなった。その上で、Simons(1995)で提唱された「4つのコントロールレバー」に着目、「信条システム」「事業倫理境界システム」「双方向型コントロールシステム」「診断型コントロールシステム」の4つからならマネジメント・コントロール・パッケージ(以下MCP)が有効である、という仮説を立案するに至った。2022年度は仮説に沿い、インタビュー調査を行った結果、「信条システム」「事業倫理境界システム」から構成される基盤システムを整備し、WFには「診断型コントロールシステム」「事業倫理境界システム」、AGには「双方向型コントロールシステム」「信条システム」が、それぞれ有効であることが明らかとなった。2023年度は、前年度までの結果を踏まえ、組織的なマネジメントの仕組みとしてどう整備すべきかについて再検討を行い、AG向けにも「事業倫理境界システム」を、WF向けにも「信条システム」を、組織として適切にマネジメントするために整備が必要であることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PJの為の業績管理システムを明らかにしていくにあたり、マネジメント・コントロール・パッケージ(以下MCP)の概念に沿って、具体的にはSimons(1995)にて提示された4つのコントロール・レバーに着目することの有効性が仮説として示され、この内容を軸に、調査を進め、検証することが可能になっているからである。
初年度に、仮説を構築できたことから、2年度目である2022年度において、具体的なインタビュー調査を通じて、組織がマネジメントしていく上で有効と想定される、コントロールレバーの具体的な組み合わせが明らかとなり、今後に、さらにインタビュー調査を継続していくことで、仮説の更なる検証、MCPの具体的な中身の定義とその運用を明らかにすることができる見通しがたった。
2023年度は、さらに組織でのマネジメント点で、プロジェクトマネジメントをWFとAGで使い分けながら、全体としてどのようなマネジメントの仕組みが組織として適切なのかについて、AG向けにも事業倫理境界システムに相当する仕組みを整備すること、WF向けにも信条システムに相当する仕組みを整備することの必要性が明らかになったからである。
|
今後の研究の推進方策 |
PMI日本支部との共同研究は継続予定であり、法人会員、個人会員を通じ、さまざまな規模の企業を調査対象に、インタビューによる調査・分析を行う予定である。 アジャイルPJへの取り組みが特に進むIT分野、中でもソフトウェア開発を中心に、四国を拠点とする企業や全国規模の企業、その際、IT企業そのものと、IT企業にシステム開発業務を発注する事業会社についても、インタビュー予定である。
|