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わが国におけるゴーイング・コンサーン情報の経済的影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K01786
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07100:会計学関連
研究機関大阪公立大学 (2022-2023)
大阪市立大学 (2021)

研究代表者

浅野 信博  大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (10319600)

研究分担者 林 隆敏  関西学院大学, 商学部, 教授 (50268512)
榎本 正博  神戸大学, 社会システムイノベーションセンター, 教授 (70313921)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードゴーイング・コンサーン情報 / 資本コスト / 投資の効率性 / 監査上の主要な検討事項 / 株主総会 / 利益調整 / 監査法人 / 経済的影響分析 / 証券市場 / 投資 / ゴーイングコンサーン情報 / 重要な不確実性 / インタビュー調査
研究開始時の研究の概要

本研究は、わが国において段階的アプローチによって開示されるGC情報が、重要な不確実性が存在するかどうかの(経営者および)監査人の判断に注目したうえで、どのような経済的影響を及ぼすのかについて、過去の公開データを用いて解明を図ることを目的とする。具体的には、a) わが国企業によるGC情報開示の実態はどのようなものなのか、b) GC情報の開示について監査人はどのような判断を行うのか、c) GC情報は株価や資本コストといった経済的指標にどのような影響を与えるのか、について順次解明していくことになる。

研究実績の概要

企業によって開示されるゴーイング・コンサーン情報(継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況に関する情報:以下、GC情報と記述)は、多種多様なステークホルダーにとって欠かすことのできない重要な情報の1つである。本研究は、わが国において段階的アプローチによって開示されるGC情報が、重要な不確実性が存在するかどうかの(経営者および)監査人の判断に注目したうえで、どのような経済的影響を及ぼすのかについて、過去の公開データを用いて解明を図ることを目的とする。具体的には、a) わが国企業によるGC情報開示の実態はどのようなものなのか、b) GC情報の開示について監査人はどのような判断を行うのか、c) GC情報は株価や資本コストといった経済的指標にどのような影響を与えるのか、について順次解明していくことになる。われわれは、研究計画にもとづいてそれぞれ作業を実施し、月に1度のペース実施したZoomミーティングで作業のすり合わせを兼ねた報告会を実施した。具体的には、1) わが国のGC情報の開示に関する先行研究を渉猟し3名で分担して解題を進め、2) わが国におけるGC情報の開示制度が他国とは異なることから、ゴーイング・コンサーンの制度の動向についても適宜報告し、3) GC情報のパッケージ・データが存在しないことから、新たなデータ作成の作成を進め、その進捗状況について逐次報告した。以上の作業は、ゴーイング・コンサーン情報は監査人の交代に関係することから、われわれの学術論文の執筆のみならず、研究代表者の浅野および研究分担者の林による『監査人のローテーションに関する研究』の刊行に大きく貢献している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和4年度において、GC情報に関連する先行研究を幅広くレビューすると同時に、GC情報と投資の効率性に関する経済的影響分析を実施した。しかしながら、予想に反して、アーカイバルデータを用いたテストの結果、定立した帰無仮説を棄却することはできなかった。このとき得られた証拠を慎重に吟味した結果、令和5年度において、われわれはもう一度原点に戻って、あらためて別の仮説を検討した。GCに関する監査法人に対するインタビュー調査については、仮説の検討に時間を要したために未だ着手できていない。以上、本研究の骨子である、1) 「先行研究のサーベイ」についてはきわめて順調ではあるが、2)「インタビュー調査の実施」3)「アーカイバル研究の執筆」については予定よりやや遅れている。ただし、研究最終年度である令和6年度においては、この遅れを取り戻すため、既に準備作業を完了している。

今後の研究の推進方策

わが国のGC情報は、「段階的アプローチ」によって開示されるが、GC情報のシステマティックな特定化手続きが完了していることに加え、先行研究のサーベイをほぼ完了したことから、今後の研究進捗状況は飛躍的に高まると考えている。今後の研究における喫緊の課題は、令和5年度に引き続き、1) GC情報開示の決定要因分析についての学会報告および論文作成、2) GC情報開示メカニズムの解明を目的としたインタビュー調査の実施及び論文作成、3) GC情報の開示と脱却に関する証券市場分析をはじめとした経済的影響分析に着手することである。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (20件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (9件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 監査委員会の独立性に関する研究のレビュー2024

    • 著者名/発表者名
      浅野信博
    • 雑誌名

      現代社会と会計

      巻: 18号 ページ: 21-31

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 監査委員会の活動水準に関する研究のレビュー2024

    • 著者名/発表者名
      浅野信博
    • 雑誌名

      會計

      巻: 205巻3号 ページ: 27-37

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 国際監査基準570「継続企業」(公開草案)の検討2024

    • 著者名/発表者名
      林隆俊
    • 雑誌名

      商学論究

      巻: 71巻3号 ページ: 153-170

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 大株主と利益の質―レビューと将来研究の展望―2024

    • 著者名/発表者名
      榎本正博
    • 雑誌名

      RIEB Discussion Paper Series

      巻: No.2024-J01 ページ: 1-22

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Succession Procedures for Auditor Change: An Interview Survey of Japanese Audit Firms2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki Ozawa, Nobuhiro Asano, Yoshitaka Hirose, Kiyoshi Yakabi
    • 雑誌名

      OCU-GSB Working Paper

      巻: No.202301 ページ: 1-35

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 銀行の経営者交代の特徴について-財務比率を中心として-2022

    • 著者名/発表者名
      榎本正博・深谷優介
    • 雑誌名

      神戸大学経済経営研究所ディスカッションペーパー

      巻: DP2022-J05 ページ: 1-33

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 四半期キャッシュ・フロー計算書の任意開示にかかる基礎研究2022

    • 著者名/発表者名
      松本紗矢子・屋嘉比潔・浅野信博
    • 雑誌名

      大阪市立大学working paper series

      巻: 202211 ページ: 1-23

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 非財務情報保証業務における『アサーション』の重要性2021

    • 著者名/発表者名
      林隆敏
    • 雑誌名

      会計・監査ジャーナル

      巻: 790 ページ: 88-94

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 監査上の主要な検討事項と開示情報の関連付け-早期適用事例の分析-2021

    • 著者名/発表者名
      林隆敏
    • 雑誌名

      會計

      巻: 200 ページ: 1-13

    • NAID

      40022598780

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 四半期キャッシュフロー情報開示に関する基礎研究2022

    • 著者名/発表者名
      池井優佳・松本紗矢子・屋嘉比潔・浅野信博
    • 学会等名
      日本経済会計学会第3回秋季大会経営分析ワークショップ
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] わが国上場企業における内部通報制度にかかる基礎研究2022

    • 著者名/発表者名
      山添清昭・浅野信博
    • 学会等名
      日本監査研究学会第45回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] わが国における四半期キャッシュ・フロー計算書の開示にかかる論点整理2022

    • 著者名/発表者名
      浅野信博・池井優佳・松本紗矢子・屋嘉比潔
    • 学会等名
      日本監査研究学会第45回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 監査人のローテーションに関する研究(課題別研究部会最終報告)2022

    • 著者名/発表者名
      浅野信博・池井優佳・鎌田啓貴・川端千暁・林隆敏・堀古秀徳・町田祥弘・松尾慎太郎・松本祥尚
    • 学会等名
      日本監査研究学会第45回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 決算発表時における四半期キャッシュ・フロー計算書の同時開示による経済的影響2022

    • 著者名/発表者名
      屋嘉比潔・松本紗矢子・浅野信博
    • 学会等名
      日本経営財務研究学会2022年度西日本部会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 気候関連リスクが財務諸表監査に及ぼす影響-監査報告からの接近-2022

    • 著者名/発表者名
      林隆敏
    • 学会等名
      日本監査研究学会第45回西日本部会統一論題報告
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] センターの将来計画:エビデンス・ベースによる政策提言と社会実装、そして社会問題の解決によるSDGsへの貢献2022

    • 著者名/発表者名
      榎本正博
    • 学会等名
      神戸大学創立120周年記念 社会システムイノベーションセンター主催シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 四半期キャッシュ・フロー計算書の任意開示にかかる基礎研究2021

    • 著者名/発表者名
      松本紗矢子・屋嘉比潔・浅野信博
    • 学会等名
      日本経済会計学会第2回秋季大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 監査人のローテーションに関する研究(課題別研究部会中間報告)2021

    • 著者名/発表者名
      浅野信博・林隆敏・町田祥弘・松本祥尚
    • 学会等名
      日本監査研究学会第44回全国大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 監査人のローテーションに関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      浅野信博編著
    • 総ページ数
      231
    • 出版者
      同文舘出版
    • ISBN
      4495210505
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 『ベーシック監査論(九訂版)』2022

    • 著者名/発表者名
      伊豫田隆俊・松本祥尚・林隆敏
    • 総ページ数
      448
    • 出版者
      同文舘出版
    • ISBN
      9784495182595
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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