研究課題/領域番号 |
21K01795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
青木 章通 専修大学, 経営学部, 教授 (80338847)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | レベニューマネジメント / 管理会計 / ダイナミックプライシング / サブスクリプション / マネジメントコントロール |
研究開始時の研究の概要 |
短期と長期という異なる時間軸を意識した収益管理(レベニューマネジメント、ダイナミックプライシング、サブスクリプションといった管理技法を総称したもの)を成功裏に実施するためには、収益の作り込みに対して権限と責任を有する経営管理者はいかなるマネジメントをおこなうべきだろうか。そして、そのマネジメントのために管理会計はいかなる役割を果たすべきであろうか。本研究では、この問いを管理会計の視点から検討する。 この問いに対する答えを得るために、既存のマネジメント・コントロールに関する研究、顧客管理会計に関連する既存の研究の知見を有効的に活用する。
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研究実績の概要 |
今年度については、レベニューマネジメントに代表される変動価格制度及びサブスクリプションのモデルを検討することを念頭に、研究を進めた。 まず、レベニューマネジメントについては、コロナ期の需要縮小時におけるレベニューマネジメントが通常の時期とどのように異なっていたか質問票調査を実施した。アンケート調査の結果、顧客数が急激に減少するなか、事業存続のために固定費の削減が多くのホテルで実施されているが、レベニューマネジメントは収益志向よりも利益志向となり、固定費を中心とした原価管理との結びつきを強めていることが明らかになった。また、中長期的な収益性の確保よりも短期的な収益確保が重視されるなか、宿泊施設の売上に影響を及ぼす要因が大きく変化しており、それが重視すべきKPIを変えていることも明らかになった。一方で、需要予測に基づき価格と販売チャネル別、顧客セグメント別に客室を分配するというレベニューマネジメントの本質的な部分は大きく変化していないことも明らかになった。 さらに、一般的に定額の課金と言われるサブスクリプションのモデルについても検討を行い、論文として発表した。サブスクリプションモデルの概要及びその目指すべき姿について考察したうえで、管理会計が(1)資本予算の技法を適用したサブスクリプション・ビジネスの評価、(2)顧客生涯価値の評価、(3)レベニューマネジメントとの組み合わせによる収益の安定性の評価という3点において貢献しうることを提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度において、質問票調査及びインタビュー調査についても実施することができた。また、関連する論文を3本執筆することができた。最終年度に向けてさらなる検討が必要であるが、現時点ではおおむね順調に推移していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究は、レベニューマネジメントに代表される変動価格制と、サブスクリプションに代表される定額課金の問題を別個の問題として取り扱ってきた。なぜならば、それぞれに異なる論点があるからである。しかし、最終年度においては、両者を統合する形で研究をまとめたいと考えている。また、その統合の過程における課題を明らかにし、解決に向けた方向性を提示するためにも更なるインタビュー調査や質問票調査が必要であると考えている。
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