研究課題/領域番号 |
21K01805
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 史彦 東北大学, 経済学研究科, 教授 (10329691)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 会計発生高 / 流動会計発生高 / 利益の質 / 監査の品質 / 利益マネジメント / 会計発生高モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,主に利益マネジメントの代理変数として実証的会計・監査研究において幅広く用いられてきた会計発生高をめぐる諸問題を特定化した上で,その解決策を提示することを目的とする.主に米国企業を対象とした海外の先行研究を視野に入れつつも,日本の会計基準ないし国際財務報告基準に依拠して作成された財務諸表に対応する会計発生高の算定方法を確立した上で,研究目的に応じた会計発生高モデルを構築することを目指す.
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研究実績の概要 |
令和4年度においては、文献サーベイを中心としつつ、会計発生高に係る指標を用いた検証を進めた。サーベイの成果については現在とりまとめているが、会計発生高の算定方法は分析に大きな影響を及ぼす可能性がある点について把握した。 会計発生高に係る指標を用いた検証では、複数期間にわたる利益マネジメントや会計情報(利益)の質の傾向を把握する会計発生高を用いた指標の妥当性について検討した。会計発生高は一定期間で反転する特性があることから、そうした反転効果を考慮することが必要となる。本研究では、先行研究をふまえ、流動会計発生高の時系列の標準偏差を適用する手法について考察を進めた。 この考察を適用した研究成果を、2022年8月の日本会計研究学会第81回大会 統一論題報告において「会計情報の質に対する影響要因の多様性と変化」として報告した(その後『會計』 203巻第1号に掲載)。そこでは、日本の上場・一般事業会社の平均的な会計情報の質の時系列的な傾向を明らかにすることを目的としたが、企業ごとの5年間の流動会計発生高の標準偏差を算定することで、反転効果を考慮した会計情報の質に係る指標を得た上で、1994年から2019年までの傾向を観察した。その結果、会計情報の質は1994年から1999年までは高かったものの、2000年から2010年までの期間で悪化していること、さらに、2010年度以降は改善傾向にあることが示唆された。本研究は、厳密なイベントスタディではないことから、その背景の解明に至っていないが、会計発生高を用いた研究の新たな可能性を示すことができたと評価している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究のとりまとめについて、予想外に文献が多かったため。
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今後の研究の推進方策 |
会計発生高に係る近年の研究を取りまとめ、会計発生高の定義に係る問題、会計発生高の「正常」部分の推定に係る問題について取り組んでいく。
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