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業績連動報酬がインセンティブに与える影響に関する分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K01806
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分07100:会計学関連
研究機関筑波大学

研究代表者

中村 亮介  筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (40549713)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード業績連動報酬 / インセンティブ / 効率的契約アプローチ / 債務契約 / 経営者権力アプローチ / 財務制限条項 / パフォーマンスプラン
研究開始時の研究の概要

本研究では,主に2019年3月期決算以降の有価証券報告書を対象に業績連動報酬契約に関する情報をデータベース化し,分析することによって,コーポレートガバナンス・コードのいう「中長期的な業績に連動した報酬制度の導入が持続的な成長に向けたインセンティブとして機能するのか」を明らかにする。この研究により,業績連動の必要性が叫ばれている中,それぞれの報酬制度にどういった役割を期待しているかを明確化することができ,適切な業績連動報酬制度を設計するための示唆を得ることができる。

研究実績の概要

本研究の目的は,報酬制度に関するデータを手収集することにより,どういった種類の報酬制度が導入されているかを把握したうえで,それらが企業の投資行動などへ影響を及ぼしているのかを検証することである。
2023年度は,報酬契約における業績指標の選択が効率的契約アプローチ(報酬契約は,エージェンシー問題を解決するツールとされる)と経営者権力アプローチ(報酬契約は,エージェンシー問題を助長するものとされる)による説明が行われているという前年度までの整理に基づいて,日本企業のデータで実証分析を行った。
具体的には,どのような会社が役員報酬の業績指標として会計数値に依存しているかを検証した。その結果,複雑なビジネス構造でなく,成長性が低く,報酬委員会が設置されている場合に会計数値が報酬契約で用いられる傾向にあることが明らかになり,日本企業においては効率的契約アプローチが支持されることが示唆される結果となった。ここからは,少なくとも,ガバナンスが効いていないとされる状況において,報酬契約に会計数値が経営者の都合の良いように利用されている可能性は少ないと言える。この結果をアウトプットした論文の内容は,2024年度に公表される予定である。
また,関連研究として,融資契約における会計情報の相対的重要性と私的情報について考察した論文を1本執筆した。さらに,監査手続における不正会計検知ソフトウェアの利用可能性に関する国内学会報告を1回,日本企業の財務制限条項において経常利益が多く使われる理由に関する海外学会報告を1回行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は報酬データベースが完成し,成果は論文1本,著書2冊(分担執筆),学会報告2回であった。
以上の事実より,本研究課題の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

2024年度は現在仕掛中の実証系の論文の内容を学会にて報告予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (20件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 図書 (5件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 融資契約における会計情報の相対的重要性と私的情報2024

    • 著者名/発表者名
      中村亮介・河内山拓磨
    • 雑誌名

      會計

      巻: 205 ページ: 95-108

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 債務契約における会計情報の現代的役割2023

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 雑誌名

      會計

      巻: 203 ページ: 27-38

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 新収益認識基準が比較可能性に与える影響-アンケート調査結果を用いた実証分析-2022

    • 著者名/発表者名
      中村亮介・塚原慎・小澤康裕・吉田智也
    • 雑誌名

      グローバル会計研究

      巻: 3 ページ: 17-35

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 新収益認識基準適用による金額的影響の実態分析2022

    • 著者名/発表者名
      塚原慎・小澤康裕・吉田智也・中村亮介
    • 雑誌名

      會計

      巻: 202 ページ: 54-67

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 報酬契約における利益の役割ー効率的契約アプローチと経営者権力アプローチー2022

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 雑誌名

      會計

      巻: 202 ページ: 58-69

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 日本企業の報酬契約のシフトと債務契約のデザイン2021

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 雑誌名

      會計

      巻: 200 ページ: 68-80

    • NAID

      40022662195

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] How do bank lenders use borrowers’ financial statements? Evidence from a survey of Japanese banks2021

    • 著者名/発表者名
      Kochiyama, T., R. Nakamura, and A. Shuto
    • 雑誌名

      CARF Working Paper

      巻: F-522 ページ: 1-63

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 監査手続における不正会計検知ソフトウェアの利用可能性2023

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 学会等名
      日本行動計量学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The Usefulness of GAAP Earnings in Financial Covenants2023

    • 著者名/発表者名
      Kochiyama Takuma and Ryosuke Nakamura
    • 学会等名
      32nd Asian Pacific Conference on International Accounting Issue
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 海外における簿記研究のレビュー2023

    • 著者名/発表者名
      中村亮介・罇涼稀・松下真也・岡田幸彦
    • 学会等名
      日本簿記学会第7回簿記研究コンファレンス
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 債務契約における会計情報の現代的役割 ─財務制限条項に注目して─2022

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 学会等名
      日本会計研究学会第81回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本企業の財務制限条項において会計利益が果たす役割2021

    • 著者名/発表者名
      中村亮介・河内山拓磨
    • 学会等名
      日本会計研究学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 新収益認識基準が比較可能性に与える影響―アンケート調査を用いた実証分析―2021

    • 著者名/発表者名
      中村 亮介・小澤 康裕・塚原 慎・吉田 智也
    • 学会等名
      グローバル会計学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 財務制限条項の実態・影響・役割2021

    • 著者名/発表者名
      中村亮介・河内山拓磨
    • 学会等名
      日本経済会計学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 学部生のための企業分析テキストー業界・経営・財務分析の基本ー(改訂版)2024

    • 著者名/発表者名
      高橋聡他14名(分担著・中村担当13頁分)
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      創世社
    • ISBN
      9784794415905
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] エッセンス簿記会計(第19版)2023

    • 著者名/発表者名
      新田忠誓他17名(分担著・中村担当12頁分)
    • 総ページ数
      410
    • 出版者
      森山書店
    • ISBN
      9784839421960
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] エッセンス簿記会計(第18版)2022

    • 著者名/発表者名
      新田忠誓他12名(分担著・中村担当12頁分)
    • 総ページ数
      410
    • 出版者
      森山書店
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 会計学・簿記入門(第16版)2021

    • 著者名/発表者名
      新田忠誓他12名(分担著・中村担当12頁分)
    • 総ページ数
      356
    • 出版者
      白桃書房
    • ISBN
      9784561352259
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] エッセンス簿記会計(第17版)2021

    • 著者名/発表者名
      新田忠誓他18名(分担著・中村担当12頁分)
    • 総ページ数
      410
    • 出版者
      森山書店
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [産業財産権] 不正会計検出方法,その装置及びそのプログラム2021

    • 発明者名
      尾崎幸謙(代表)
    • 権利者名
      尾崎幸謙(代表)
    • 産業財産権種類
      特許
    • 出願年月日
      2021
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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