研究課題/領域番号 |
21K01837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
舩戸 修一 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (00466814)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 空き家 / 過疎 / 限界集落 / 消滅集落 / 他出子 / 人口減少 / 地方消滅 |
研究開始時の研究の概要 |
昨今、65歳以上が居住者の過半数を占める過疎農山村集落を「限界集落」と呼び、その消滅可能性を煽るような論調が見られる。一方、年齢別人口構成にかかわらず、集落から転出した子ども――他出子――が実家や集落に通うことによって、将来的な集落維持につながる研究が提示されている。また他出子以外に、その子どもや孫・傍系家族・空き家利用者(元住民)など血縁・地縁者も、祖父母の居住場所や故郷である集落へ足繁く通っているということも散見される。本研究では、これらの血縁・地縁アクターへの調査によって、これらと集落とのかかわりを明らかにし、人口減少する中での過疎農山村集落の維持可能性を考える。
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研究実績の概要 |
研究対象地である浜松市の中山間地域の集落では、人口減少や高齢化が進むなか、転出した子ども――他出子――が帰省し、農作業や家事手伝するなど実家の生活支援をしている実態がある。集落の共同作業や祭礼などにも参加し、集落住民との関わりをもつ他出子もいる。このような他出子は、現地に「定住」していなくても、空間を「移動」する住民として捉えるならば「潜在的住民」と考えられる。しかし、これら住民の実態については行政では把握しておらず、明らかにされていない。よって、これら「潜在的住民=他出子」の実態が明らかになれば、居住する住民の半分以上を高齢者が占める「限界集落」あるいは「集落存続困難集落」として判断されても、これら住民の存在によって集落の存続可能性が期待できる。ただ、これまでの他出子についての先行研究の知見は、居住する地域住民(親)への調査結果に基づくものであり、他出子本人に調査したものではない。よって、これら本人に調査する必要がある。とはいえ他出子本人に調査するとなると地域住民や実家の協力が欠かせない。そのため、2023年度は、まず研究対象集落――浜松市天竜区佐久間町A集落および浜名区引佐町B集落――の実家への聞き取り調査を実施した。その結果、近居する他出子が頻繁に帰省する実態が明らかになった。さらに現地報告会を開催し、その結果を地域住民へ説明し、今後の調査への協力をお願いした。よって2024年度は、その調査結果をもとに、他出子への調査票(アンケート)調査および聞き取り調査を実施し、他出子本人の意識や考えを明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、浜松市天竜区佐久間町A集落および浜名区引佐町B集落において他出子本人までの調査票(アンケート)調査まで実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染への不安が地域住民にあり、実家(親)の調査までしか実施できなかった。ただ、両集落からは他出子本人への調査について協力していただけることになっている。2024年度は、両集落の他出子本人までの調査を実施する予定であるが、2023年度に実施する予定であった調査が今年度に持ち越されたため、研究の進捗については「やや遅れている」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、佐久間町A集落および引佐町B集落の他出子本人への調査票(アンケート)調査および聞き取り調査を実施する予定である。さらに、同様の調査を他の集落においても実施する予定である。
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