研究課題/領域番号 |
21K01843
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岡田 あおい 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (50246005)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歴史人口学 / 家族史 / 近世都市 / 高山 / 宗門改帳 / 基礎シート(BDS) / 基礎シート(BDS) / 家族 / 人口 / データベース |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近世都市飛騨高山の宗門改帳を史料とした歴史人口学と家族社会学の学際的研究を行うことを最終目的としている。歴史人口学は、主に宗門改帳を史料に用いて国勢調査以前の人口を解明する学問である。歴史人口学の研究は精力的に進められているが、史料の残存状態からそのほとんどが農村の研究である。近世都市は研究開始以来注視されつつも、研究は乏しい。飛騨高山には約100年にわたる、しかも欠年のない総人口8000人規模の宗門改帳が残っている。本研究は3年間の研究期間を通し、この史料を利用し研究するための基礎であるデータベース構築にむけて作業をおこなう。
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研究実績の概要 |
本研究の最終目的は、近世都市飛騨高山の歴史人口学と家族社会学の学際的研究を行うことである。近世都市は研究開始以来注視されつつも、歴史人口学的研究の数は少ない。本研究が史料とする近世都市高山の宗門改帳は、残存期間が99年間(1773年~1871年)に及ぶ、しかも欠年が1年もない、現在発見されている史料の中では最も情報量の多い最良の史料である。この史料は、1960年代にマイクロフィルム化(全71巻:68914コマ)された(麗澤大学人口・家族史研究プロジェクト室所蔵)。マイクロフィルムは劣化の恐れがあるため、これを電子化し、紙焼き製本をおこなった。このような準備期間を経て2020年より本格的に基礎シート(BDS)作成を開始した。この作業を継続し基礎シートを完成させ、データベース化を開始することが本研究期間の目的であり、研究の最終目的はデータベース化された資料をもちいて近世都市飛騨高山の人口と家族構造の研究を完成させることである。 研究2年目の2022年度は基礎シートを1803(享和3)年から1828(文政11)年まで作成し、基礎シートに書き込めない情報を整理しメモシートを作成した。また、作成した基礎シートから、1803年から1828年までの総人口、性別人口、家数を観察した。この間総人口は2800人から3000人の間で推移し、家数は530から600の間で推移するが、家数は徐々に増加している。この間の観察で強調したい点は、男女別人口についてである。これまで研究をしてきた会津山間部では、性比が男性過多であったが、高山では性比がほぼ1対1であり、女性の人口の方が多い年も見られた。この点は近世都市人口の特徴の可能性があり、今後注目しながら作業を継続したい。 さらに、基礎シートの作成と並行して、主に都市の歴史人口学と飛騨地方の家族に関する文献の検索および整理をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
近世都市高山の宗門改帳は、マイクロフィルム全71巻(68914コマ)に及ぶ膨大な史料である。また、宗門改帳は組別に記載されているが、年によりその組名が変更になったり、合併したり変化があり複雑である。そのため、時系列的に基礎シートを作成するのに時間がかかっている。また、高山の宗門改帳には、歴史人口学で用いる基礎シート(BDS)に書き込めないが貴重な情報が大量に記載されている。すべての情報を残すべきであるが、時間的制約がある中で残すべき情報の検討に時間を費やした。残すべき情報の整理方法も確定し、その方法に従い2022年度は基礎シートに書き込めない情報の整理も同時に行ったため、予定よりも時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
高山の宗門改帳は、残存期間が長期に及ぶ上に、非常に多くの情報が記載されている。これらの情報を整理するのに時間を取られているが、2023年度は、2022年度同様に高山の基礎シートの作成を中心に作業を進める。作業は、専門知識を有する研究協力者の援助をうけながら効率的におこないたい。基礎シート作成には多額の経費(主に人件費)と膨大な時間がかかるが、この作業に時間をかけミスのない基礎シートを完成しなければならない。完全な基礎シートが完成できなければ、仮に研究が完成したとしても研究自体の意味はなく、信頼性も失われる。作業には膨大な時間がかかり、研究結果を迅速に発表することは困難であるが、この基礎シートの作成は、壮大な研究の可能性をもつ本研究にとって研究の要であり、最も重要な基礎的作業である。2023年度も禁欲的に慎重に作業に取り組みたい。また、現時点で完成している基礎シートについては、2022年度は手を付けることができなかったが、2023年度は確認作業を進め、できればデータの入力作業を開始したい。 また、2023年度は本研究の最終年度に当たる。したがって、基礎シートが完成したところまでを利用し、基本的なデータの集計をおこない、本研究の総括を行なう予定である。
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