研究課題/領域番号 |
21K01846
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
金光 淳 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (60414075)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | アート・フェスティバル / 鑑賞者調査 / 連想ネットワーク分析 / 瀬戸内国際芸術祭 / 国際芸術祭「あいち2022」 / 計量美学 / アートツーリズム / アートワールド / 認知構造 / 連想ネットワーク調査 / 現代アート / アーチスト調査 / 芸術祭 / 認知ネットワーク分析 / 協賛企業調査 / 観客調査 / 認知ネットワーク / ネットワーク分析 / 文化社会学 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究は、2つのアート・フェスティバル=瀬戸内国際芸術祭と新・国際芸術祭(旧あいちトリエンナーレ)を構成する関係アクター(プロデューサー、アーチスト、協賛企業、地方自治体、来訪者)に対する多方面のアンケート調査、インタビュー調査によって、関係アクターの間に、各芸術祭のコンセプトに関してどのような「認知的ズレ」が存在するのか、しないのかを特定することにり、アート・フェスティバルがどのようなパフォーマンスをもたらすのか、アート・フェスティバルとして成否するのか、観客数、SNS上での評判などの成果を実証的に明らかにすることである。分析において連想ネットワーク分析の方法が使用される。
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研究成果の概要 |
本研究は、国際芸術祭「あいち2022」と瀬戸内国際芸術祭において、作家、観客、キュレーターなどのアクターの間の芸術祭そのものや作品に関する認知的なズレを、認知ネットワーク分析の方法で明らかにしようとする研究である。前者の芸術祭においては、主催自治体の方の協力を得られず、調査は断念したが、後者の芸術祭においては、「豊島美術館」自体を作品として解釈した場合、作者とキュレーターとの認知のズレを鑑賞者の介入的な社会調査において見出すことができた。この実験的調査から、芸術祭における作品の鑑賞には、作者、鑑賞者との間に「アート媒介者」という役割が重要であることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、アート・フェスティバルにおけるアート作品に関する作者、キュレーターと、鑑賞者の間の大きな認識の違いを、認知ネットワーク分析によって明らかにしたものである。その際、調査者自体の介入が認知変化に大きな役割を果たしたことが示された。このことは、作品の鑑賞の質を高めるには、旧来の美術評論家のような高尚な人々の抽象的な文章による解釈ではなく、現場での「アート媒介者」の存在が欠かせないことを示しており、今後のアート・フェスティバルのあり方、美術教育のあり方にも一石を投じる知見を提供できた。
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