研究課題/領域番号 |
21K01849
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
佐藤 量 立命館大学, 先端総合学術研究科, 非常勤講師 (20587753)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 満洲 / 移民 / 引揚者 / 社会移動 / 生活再建 / オーラル・ヒストリー / 会報 / 奄美 / 植民地 / 学校同窓会 / 満蒙開拓団 / 農業移民 / 戦後日本社会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、戦前から戦後にかけての満洲引揚者の社会移動に着目し、満洲時代の職業や学歴、家族構成などの社会的要因が、引揚げや再就職など生活再建にいかに影響を及ぼしているかを明らかにすることを目的とする。 満洲引揚者の再就職と生活再建をめぐる定量分析と、引揚者自身によって書き残されてきた「会報」の史料分析を通して、戦後日本社会における引揚者の果たした役割や戦後社会の満洲に対する認識の変遷を考察する。
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研究実績の概要 |
本研究では、戦前から戦後にかけての満洲引揚者の社会移動に着目し、満洲時代の職業や学歴、家族構成などの社会的要因が引揚げ後の生活再建にいかに影響を及ぼしているかを明らかにすることを目的とする。2023年度は、これまでに実施した鹿児島県(奄美)、和歌山県(田辺)、熊本県(水俣)での調査成果の一端を論文にまとめ、学会報告を行った。 奄美の満洲引揚者と戦後沖縄の労働運動のつながりに注目した事例研究では、1950年代に沖縄で基地建設労働者の救済を求めるストライキを主導した奄美市笠利町出身の満洲引揚者・林義巳の回想録を分析し、満洲で植民地の権力関係を目の当たりにしたことが沖縄での運動に大きく影響したことを明らかにした。本研究は日本移民学会(神田外国語大学、2023年6月24日)、沖縄社会学会(奄美市市民交流センター、2023年11月18日)で報告したのち、論文「林義巳と「満洲経験」――戦後沖縄労働運動の出発点」(野入直美編『引揚エリートと戦後沖縄の再編』不二出版、2024年)として刊行した。 また「引揚港」の歴史表象に関して、和歌山県田辺市に残る引揚港記念碑や郷土資料館の史料を分析し、満洲引揚者と現地の郷土史家の共同作業によって引揚港の歴史が継承されてきたことを明らかにした。研究成果は「引揚港調査記――和歌山県・田辺港を歩く」(「満洲の記憶」研究会編『満洲の記憶』、9、111-122、2024年)として報告した。 そのほか植民地と鉱工業移民に関する事例研究として、論文「戦前のチッソと植民地」(杉本星子・西川祐子編『鶴見和子と水俣――共生(ともいき)の思想としての内発的発展論』藤原書店、2024年)をまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内で継続的に現地調査を実施し、その成果に基づいて学会報告や論文発表を行ったため、概ね計画通りに研究を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度も引き続き国内各所における史資料調査及びインタビュー調査を継続する。なお、中国での現地調査について、渡航や調査が制限される可能性がある場合には国内での調査を優先する。
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